チェチェン

CIS諸国を巡る米露の角逐
アンナ・ポリトコフスカヤの死
「チェチェン やめられない戦争」   :アンナ・ポリトコフスカヤ(NHK出版)(2004年8月)
「プーチニズム」             :アンナ・ポリトコフスカヤ(NHK出版)
「ペンギンの憂鬱」           :アンドレイ・クルコフ(新潮社)
「誓い」                  :ハッサン・バイエフ:天野隆司訳(アスペクト)(2004年6月)
「チェチェンの呪縛」            :横村出(岩波書店)
「あらかじめ裏切られた革命」     :岩上安身(講談社文庫)(2000年発行)
「ロシア・CIS南部の動乱」       :徳永晴美(清水弘文堂) (2003年発行)
「アッラーの花嫁たち」         :ユリヤ・ユージック(WAVE出版)
「チェチェン 知られざる戦争」     :市民平和基金(CFP)(2000年4月発行)
「チェチェンで何が起こっているのか」:林克明(高文研)(2004年3月発行)
「チェチェン 屈せざる人々」     :林克明(岩波書店)(2004年4月発行)
・「チェチェン大戦争の真実」      :植田樹(日進報道)(2004年5月発行)
・「カフカスの小さな国」チェチェン独立運動始末:林克明(小学館)(1997年5月)

米原万里のチェチェン関連書籍の書評
「死を賭して報じるチェチェンの悲劇」        :アンナ・ポリトコフスカヤ(月刊現代11月号)
「プーチン・ファシズム」                 :常岡浩介(月刊現代11月号)
「チェチェン:戦争とテロ事件」            :常岡浩介(国際協力11月号)
「ホメオスタシス対立としてのチェチェン戦争」  :ザーラ・イマーエワ(「週刊読書人」10月29日号)
「新聞もテレビも報じないチェチェンとロシアの真実」:稲垣収(PLAY BOY 12月号)
今月の月刊雑誌のチェチェン関連記事      :「世界」「論座」「軍事研究」「前衛」「潮」「歴史群像」「正論」
「北オセチアの悲劇に思うこと」           :最上敏樹(婦人之友11月号)
「チェチェン人からみた「プーチン」」         :加藤健二郎(新潮45 11月号)
「プーチンの新しいジレンマ」             :下斗米伸夫(中央公論12月号)

「チェチェン軍事侵攻から10年」          :NHKBS
「ベスランで起きたこと:ロシア学校占拠事件の真実」:報道ステーション
「Reign of Terror」                  :米ABC NIGHTLINE:バサーエフ・インタビュー
「モスクワ劇場占拠事件:立ち上がる遺族たち」:NHK・BS世界のドキュメンタリー
「イングーシでの取材報告」            :NHK・BS
「プーチン大統領・強権政治の波紋」       :NHK・BS
「ロシア 相次ぐジャーナリストの殺害」      :NHKBS世界のドキュメンタリー
「チェチェン人の留学生〜平和への願い〜」  :毎日放送・ちちんぷいぷい
「生き残りかけるロシア軍需産業」        :NHK・BSニュース(2004年10月6日)
「新石油大国カザフスタン」              :NHK・BS
「アジアイスラムパワー動き出した2億の民」  :NHK・BS
「EU拡大 東西の新境界線を行く」        :NHK・BS
「非核化ウクライナモデル」             :NHK・BS
「東西に揺れるウクライナ大統領選挙」     :NHK・BS
「モルドバ(沿ドニエストル地方、人身売買)」  :NHK・BS

「ハジ・ムラート」:トルストイ

・映画「コーカサスの虜」
・DVD・VHS「ようこそボクらの学校へ」:日本ユニセフ(NHK出版)4000円+税(2003年11月)
・DVD・VHS「春になったら」「子どもの物語にあらず」:ザーラ・イマーエワ(3500円+送料500円)

 ロシアは多民族連邦国家ですから、チェチェンの独立を認めれば、
他の民族が独立することを認めない理由はなくなりますから、
チェチェンの独立を認めないという要素は確かにあるとは思います。
 しかし、現実には、小さな民族共和国はロシア中央からの経済支援抜きには、
経済的にはやっていけない以上、現実には、ロシア中央と政治的に妥協し、
ロシア側も大幅に自治権を認めるという方向で妥結しているのだと思います。

 特別に大量の資源を抱えているとか、アメリカが特別の経済支援を行い、独立
を経済的に支えるとかいう要素が加わらない限り、現実には、独立は難しいので
しょうね。

・イスラム化への懸念
 イスラム化ではなく、いわゆるイスラム原理主義過激派が台頭することに
対しては危機感を持っているのでしょうね。
 この勢力がロシアの他のイスラム系民族自治共和国で力を付けることには警戒
していると思います。

 言わば、『イスラム原理主義革命の輸出』は許さないということだと思います。


 一部TV報道では、チェチェンでの石油利権、カスピ海石油ルートがチェチェン
の首都グロズヌイを通るということが語られているが、バクー油田からの石油
パイプラインは、チェチェン迂回ルートが2000年に完成。

・三井物産戦略研究所
 http://mitsui.mgssi.com/compass/html/0006/twp_03.html
・INTERNATIONAL HIGHWAY PROJECT
 http://www.iijnet.or.jp/IHCC/asia106-central01-01.html

 だから、現在のチェチェンには、バクーからの石油パイプライン云々は、
もう関係ないと思うのだが、、、

 第一次チェチェン戦争のロシア側の一つの大きな原因は、このカスピ海の資源
という国家戦略に関する利権、バクーからの石油パイプラインの通過料という
利権が確かにあった。これがチェチェンを通過しているから、チェチェンの独立を
認めないという要素は確かにあった。
 しかし、既にチェチェン迂回ルートが完成しているため、チェチェンでの、
このカスピ海石油利権という問題は存在しなくなったと思う。

 第二次チェチェン戦争前に、チェチェン迂回ルート建設に着工しているのだか
ら、第二次チェチェン戦争にとっては、カスピ海石油ルートの問題は、関係が
なくなっていたと思う。

 チェチェン国内で産出される石油は、微々たるものだ。
ロシア連邦が、このチェチェン産出の石油資源を守るというのは全く正しくない
と思う。
 このチェチェン国内での石油産出は、ロシア連邦中央にとっては、何の問題で
もないが、チェチェンを実行支配する勢力にとってのみ利権が問題であると思う。
 つまり、地元の政治勢力にとって、ほとんど目ぼしい産業のないチェチェン
では、「誘拐ビジネス」を除けば、唯一最大の経済基盤であり、事実、91年以降
のチェチェン国内の政治勢力間でその利権を巡る争闘が激烈に戦われた。