カスピ海沿岸の現在の主力テンギス油田、それ以上の埋蔵量が見込まれている
カシャガン油田。
タンカーで対岸のバクーへ送り、BTCルート(バクー・トビリシ・ジェイハ  ン)に繋げる。
BTCルート:年間最大輸送量は5000万トン。(直径1mの日本製のパイプ)
将来、カスピ海海底パイプライン敷設も計画。
年間2000万トンまでならタンカーでも可能、しかしそれを越えたら海底パイプラインを敷設。
今後10年で1億トン以上の増産を見込む

・ロシアは国力を増すカザフスタンが独自の外交を展開しないか警戒
・米国は<石油資源>と<安全保障>の両面でカザフスタンを重視
 カザフスタンはイラクに地雷除去部隊を派遣
・経済成長著しい隣国の中国にとっても石油・天然ガス資源の供給地として重要
 既に中国国営企業が石油開発・エネルギー分野で協力を開始
・日本の川口外務大臣も先月訪問「中央アジアの発展に日本が関与を強める」
 新たな中央アジア政策を説明

 大国からの支持を得て、自信を深めるナザルバーエフ大統領は、国内でも
公共サービスの自由化や土地の私有化など旧ソビエト諸国で最も進んでいると
言われる経済改革に取り組んでいる。

 この5年間10%の経済成長を続けている。
 一人当たりの国内総生産は間もなくロシアを追い抜くと見られている。
 欧米の国際格付け会社も「投資適格」に引き上げる。

 成功の秘密の一つは、金融改革。
オイルマネーを国内で循環させる金融システムのレベルが飛躍的に向上している。
欧米に引けをとらない民間銀行:カズコメルツ銀行
自己資本比率は13.4%と国際的な基準を大きく上回っている。
首都では建設ラッシュ。建設業にも自国の民間企業が育ってきている。
中産階級も出現。
国際基準を満たすことは、競争力をつける。
産業界への投資が経済を活性化させ、石油一辺倒の体質から脱却させる。

・金融改革:93年ロシアが新ルーブルを発行した為、自国通貨テンゲの発行を
 余儀なくされた。2600%のインフレ。会社倒産、失業。230の銀行が乱立。
 民間銀行改革:不良債権比率、資本の標準比率等の国際基準(バーゼル合意)を
 適用。銀行廃業・合併で現在33行に。旧ソ連内で最強の銀行制度と評価。

・農業:独立採算の大規模農業企業体の出現。小麦は国際競争力もある。
 来年までの3年間を「農業の年」として減税。農業育成政策。

 カザフスタンの銀行は、石油産業以外に資金を回し、カザフ経済全体を底上げ
する重要な役割を担いつつある。カザフ経済の牽引役。

・カザフ・中国貿易高は去年比70%UP。国境は大規模物資通過点。
 中国からは:服、靴、建設資材、電気製品など
 物資が多すぎるので、税関では最新のガンマ線検査システムを導入
 人の流れも増加(労働者、商社マン、観光客)
 アルマトイには中国製品専用の市場も登場
 エネルギー分野でも中国と戦略的関係強化
 国営石油会社カズムナイガス:中国へのパイプライン計画
 第三国を経由せずに直接販売できる
 今年5月中国訪問、パイプライン建設正式決定
 両国の合弁会社で共同運用
 石油ガスルートの多様化

・周辺諸国との経済格差の発生:隣国ウズベキスタンとの政治的・経済的軋轢
・経済自由化の一方で、大統領一族が経済界に影響力:政権とコネがないと新規
 起業は困難
・カザフスタン国内での地域格差、所得格差が拡大
・隣国ウズベキスタン国境での通関・出入国管理強化:安い中国製品の流入阻止
 <経済格差による保護貿易主義>と<イスラム過激派対策での連携>
・アフガニスタンからの麻薬の流入:イスラム過激派の資金源
・上海協力機構首脳会議:テロと麻薬との闘い
 <中央アジア緊急展開軍>演習

新石油大国カザフスタン:NHK・BS