<インドネシア>
・98年スハルト独裁体制の崩壊:社会の変動・価値観の揺らぎ
・「広がるイスラム回帰」:より厳格で敬虔なイスラム教徒になろうとする風潮
  が強まっている。
・アア・ギム現象:人気説教師
・心の支えをイスラム教に求める
・若者にもイスラムは浸透:ヴェールを被る若い女性の増加
・イスラム教の書籍が増加、売れ行きも好調
・イラン革命、イスラム同胞団の書籍も発禁されず流通
・サウジ政府の奨学金で中東への留学も増加
・新興住宅街:200件毎にモスクを謳い文句、各戸に礼拝専用の部屋も用意
・今年の大統領選挙:史上初めての国民の直接投票
・メガワティ大統領は選挙戦の最中にメッカ巡礼
 キアイ:全国のイスラム学校の教師を訪問
 キアイ:地方の有力者でもある、選挙を左右する
・イスラム法に基づく自治州:条例:男女の服装等
 イスラム法執行準備委員会(2000年に発足)
 教育、経済、科学技術などの専門部会でイスラム法や導入の手順を検討
 ムスリム村プロジェクト:条例の順守を徹底
 イスラムの服装を着用していない者には村役場は対応しない
・新興イスラム政党:福祉正義党:ジャカルタで第一党
 都市貧困街で慈善活動(無料教育医療:全国300ヶ所)を通して支持拡大
 最大支持基盤は変革を求める若い学生

 実は、イスラム法執行準備委員会の活動は、インドネシアでは違法行為

・アフガニスタンで他国のイスラム過激派と交流:300人の義勇兵
・ジェマ・イスラミア:「闘争ガイドライン」(96年):
 武力によるジハードにより大イスラム国家の建設を目的
 厳格なイスラム学校「アルムクミン」戦士の供給源
 ・軍事訓練地域:フィリピン南部:モロ・イスラム解放戦線支配地域
 ・経済地域:マレーシア:資金収集・送金窓口機関:6つの会社
  ・ジハード地域:インドネシア
・ジェマ・イスラミアの分裂:多数派は無差別テロに反対、欧米を対象としない

 <過激派を生んだものは?>
・スハルト独裁体制崩壊後の民主主義の進展により、過激派が伸張したのでは
 ないか、スハルト体制は強権的に弾圧してきた。
・スハルト独裁政治が過激派を生み出した。体制崩壊前10年間で過激派は力を
 付けた。
 現政権が厳しく弾圧しないのは、かつての独裁体制に戻したくないから。

・マレーシア戦闘集団(KMM)
・タイ南部:イスラム国家・パッタニ王国:20世紀初頭にタイに併合:高失業率
 パッタニ王国の分離独立を要求
 タイ政府は13000人の兵士を駐留、戒厳令
 ポノ(イスラム宗教学校:300校)への捜査、タイ政府から教師を研修し派遣

・現在、東南アジアで活動するイスラム武装組織の多くは、「イスラム国家の
 樹立」を目標とはしていない。民族的自立を求めているだけ。
 9・11以降、「テロ」という言葉が曖昧に使われている。「テロ組織」と呼べ
 ば、米国の支援を期待できるから。
 国内の反体制派に「テロ組織」というレッテルを貼る:フィリピン、タイ、
 ウズベキスタン、チェチェン

・マラッカ海峡:米国がRMSI(地域海洋安全保障構想)を提案、各国の海軍と協力
 して治安維持に当たるという提案に、「領土に関する主権が侵害されてはなら
 ない」とマレーシアが反発し、周辺三国(マレーシア、シンガポール、インド
 ネシア)で共同パトロールを開始。

・米:穏健なイスラムへの支援(アジア財団)、支援するNGOは30以上

アジア・イスラム・パワー〜動き出した2億の民〜:NHK・BS