前半はチェチェン戦争の解説。
・プーチン大統領にとって、「チェチェン制圧は、今でも自らの力の誇示」と
 いう説明は正しいと思う。
・「誰がやっているのか分からないテロ」「本当にチェチェンゲリラがやった
 のか、チェチェンゲリラに見せかけているのか」という説明も同意する。
 しかし、
・チェチェンでは石油が取れる
・カスピ海からの石油パイプラインが通っている
 という説明には疑問を感じた。
 それは事実なのだが、石油大国ロシアにとって、チェチェンで取れる石油量は
微々たるものだということ。
 チェチェンを迂回する石油パイプラインが完成していることなどには全く言及
していないものだった。よく言えば、説明不足。悪く言えば、恣意的で、偽造だ
とも言える。

 後半は、ティムール君18歳についての説明と彼の作品「春になったら」の紹介。
・ティムール君は、94年8歳で難民となる。
・2003年NGOの招きで来日。
・今年4月に日本留学として来日(日本では唯一人のチェチェン人留学生)
・第二次チェチェン戦争を体験した子供達の絵をアニメーション化した作品
 9分の短編映画「春になったら」のアニメを90秒程度上映。
 「絵を描いた子供達の気持ちをできるだけ感じて、それを伝えたいと思って
 作ったんだ」とコメント。
 『「いつになったら、戦争は終わるの?」って。
  「春になったら・・・」ってお母さんは言ってた。』
 東京のポレポレ東中野での上映の様子と観客の感想。

 ジャーナリストの常岡浩介氏は、この作品の中で、
「戦争が始まって建物の地下に入っていく場面がある。爆発の音が聞こえる中で
 生活している。ティムール自身にも、絵を描いた子供達にも強烈なイメージ
 なんだろう」

 新潟国際情報大学平和学の佐々木寛助教授宅に下宿している。
 最初の頃は、真夏でも部屋を閉め切る。真夜中にうなされて目を覚ます。
 ヘリの音が小さい頃から嫌いと述べていました。
 ロシア軍の攻撃ヘリの音を想起するからなんでしょうね。

 左膝を立てて座るチェチェン人の伝統的な座り方
「チェチェンでは絶えず戦争があって、長い間緊迫した空気があったんだ。
 だからチェチェン人の伝統的な座り方はこうなんだ。いつも左にキンジャール
 という刀を身に着けているんだ。危険が迫ってもすぐに立ち上がれるようにね」

 佐々木助教授は、
「ティームールを通じて中央アジアの問題、ロシアが抱える問題に目を開いて
 いく」
「具体的に悩んでいる人達一人一人の顔を日本人が見ていくといのが、
 一番遠回りに見えながらも、確実な平和を作り出す方法だと思っている」

 ティムール自身も子供の頃、母親に、
「いつになったら戦争は終わるの」と聞いたことがあるという。
母親は、「春になったら」と答えたという。

 ティムールはロシアのパスポートしか持っていない。
ロシアは徴兵制の為、徴兵され、チェチェン人と戦わなければならなくなるかも
しれない。それもあって外国に行きたいということだという。

 「ティムールプロジェクト」の紹介もしていました。

ティムール君のHP
 ティムール君の母親は、ザーラ・エマーエワ女史です。
 ・「子どもの物語にあらず」
 ・「ホメオスタシス対立としてのチェチェン戦争」</a>(週刊読書人10月29日号)」

「チェチェン人の留学生〜平和への願い〜」:毎日放送・ちちんぷいぷい