漫画「金正日入門」

 金日成は抗日パルチザンの英雄である。これは歴史上の事実である。
しかし、たった一人の英雄ではない。たった一人で日本軍を追い出した訳でもない。
 中国派への粛清、ソ連派への粛清、南労働党への粛清、甲山派への粛清。
そして最後に自らの出身基盤である抗日パルチザン派の一部への粛清。
 この血みどろの党内抗争を経て、初めて金日正独裁体制が構築されたのだ。
金日成思想=主体(チュチェ思想)の理論的確立者=黄長Yの南への亡命。

 マルクスもレーニンも個人崇拝を厳しく戒めた。
レーニンは遺言でも墓を作るなと言っている。
しかし、スターリンは「レーニン廟」を作り、個人崇拝を広めた。
スターリンの政治技術主義の成せる業だ。
そのスターリンですら自分の子供への権力移譲など行わなかった。
ナチスドイツ軍の捕虜となった自分の息子とドイツ軍幹部との交換交渉にも
応じなかった。(息子はドイツ軍によって銃殺された。)
 親子での権力委譲とは、封建社会でのことである。
 こんなものが社会主義と何ら関係などある筈がない。