An Army of One
Iraq's Moqtada al-Sadr on his men,his mind-set and when America should go
http://www.msnbc.msn.com/id/12554164/site/newsweek/


There were three stages: the peaceful resistance, like speeches and
demonstrations; the military resistance, which was represented by
two uprisings all over Iraq, and the political resistance,
which we attained by reaching political posts and demanding
a timetable for the departure of U.S troops.
三つの段階がありました:演説とデモのような平和的抵抗;
イラク中至る所での二つの反乱によって代表される軍事的抵抗
我々が政治的なポストに着いて、米軍の撤退の為にタイムテーブルを要求する
政治的抵抗。

It is said that you have made some contacts with Sunni resistance
figures in certain circles. Do you still have such relationships with
them in the wake of the [attack on the Askariya shrine in Samarra]?
あなたはスンニ派のレジスタンスと接触をしたと言われます。
あなたは[Samarra での Askariya 神社に対する攻撃]に引き続いて
まだ彼らとの関係を持っていますか?

There is no Sunni or Shia resistance; there is an Iraqi Islamic
resistance. But I address the Sunnis through NEWSWEEK. One, they should
specify their stance toward attacks on civilians. After the attack in
Samarra, the Sunnis didn't have a clear stance. Two, their stance toward
Takfiris [a name for followers of the extremist ideology espoused by
Abu Mussab al-Zarqawi] is not clear. Three, they should specify their
stance toward the Shia. Are we Muslims or not? We will not be satisfied
with anything less than that. Four, they should demand the execution of
Saddam Hussein. And five, they should specify their stance toward
[returning] families who have been displaced [by sectarian violence].
スンニ派・シーア派ではなく、イラクのイスラムのレジスタンスがあります。
けれども私は「ニューズウィーク」を通してスンニ派に演説します。
一つ、彼らは文民への攻撃に対して彼らの姿勢をはっきりさせるべきです。
Samarra での攻撃の後に、スンニ派は明確なスタンスを持っていませんでした。
二つ、Takfiris に向かっての彼らの姿勢[アブ Mussab アル・ Zarqawi に
よって支持された過激論者観念の追従者の名前]は明確ではありません。
三つ、彼らはシーア派に対する彼らの姿勢をはっきりさせるべきです。
我々はムスリムですか、それとも違うのですか?
我々はそれ以外の何ものにも満足しないでしょう。
四つ、彼らはサダム・フセインへの刑の執行を要求するべきです。
五つ、彼らは[派閥の暴力によって]追い出された家の帰還についての態度を
はっきりさせるべきです。

You blamed the Samarra bombing on the Americans, in part.
Can you explain your thinking?
あなたは、一部、 Samarra 爆撃についてアメリカ人に責を帰しました。
あなたはあなたの考えを説明することができますか?

There is only an incomplete sovereignty in Iraq, which means that
the occupation is the decision maker.Any attack is their responsibility.
The U.S ambassador and [Defense Secretary Donald] Rumsfeld have ignited
the sectarian crisis here.
占領が決定者であるイラクには、ただ不完全な主権国家だけがあります。
どんな攻撃でも彼らの責任です。合衆国大使とラムズフェルドは、
ここで派閥の危機に火をつけた。

The Mahdi Army is supposedly the only faction that hasn't signed on to
an agreement to incorporate militias into governing bodies.
Can you explain why?
マハディ軍は、おそらく公的に民兵を取り入れる契約に参加しなかった
唯一の派閥です。あなたはなぜか説明することができますか?

The Mahdi Army is not a militia. You can't describe it or specify it as
a militia. I issued a statement recently limiting the Mahdi Army
personnel to cultural, social and religious acts. Normally,
time is capable of integrating people [into society] if they obey Allah.
マハディ軍は民兵ではありません。
あなたはそれを民兵と言うことはできません。
私はマハディ軍を文化的、社会的、宗教的な行為に制限して最近陳述を公表しま
した。通常、もし彼らがアラーに従うなら、時間は[社会の中に]人々を統合す
ることができます。

Many people claim that Mahdi Army members have been responsible for
sectarian attacks in recent weeks. Others say they're simply defending
their neighborhoods that the government cannot defend. What do you say?
多くの人々がマハディ軍メンバーがここ数週間で今まで派閥の攻撃に関し責任が
あったと主張します。他の人達が彼らがただ政府が守ることができない彼らの
近所を守っていると言います。あなたはどう思いますか?

The Mahdi Army personnel are not sinless. But they are integrating
themselves despite the harsh circumstances they live in.
マハディ軍メンバーは罪がない訳ではありません。けれども彼らは
彼らが住んでいる厳しい状況にもかかわらず彼ら自身を統合しています。

Do you think that some people dressed as or appearing like Mahdi Army
members have carried out reprisal or vengeance attacks of a sectarian
nature?
あなたは何者かがマハディ軍メンバーのように見える服装で派閥の報復あるいは
復讐攻撃を実行したと思いますか?

And what are the clothes of the Mahdi Army? So that I can distinguish
them from others. They don't have a specific uniform. They are people
gathered by love, and faith is their weapon.
他の人から区別できるようなマハディ軍の服は何ですか?
彼らは特定のユニフォームを持っていません。
彼らは愛によって集められる人々です、そして信頼は彼らの武器です。

You've become part of the political establishment now.
Have you changed your views on how to bring about change?
あなたは今、政治的確立の一部になりました。
どのように変化をもたらすべきかについて、意見を変えましたか?

Every Iraqi is part of the political process. Everyone builds his Iraq
the way he sees fit. The most important issue is the timetable for
the U.S. withdrawal. Politics is working to achieve justice.
We know there will be no justice under occupation, at any time and any
place. In fact, there will be no stability for anyone,since Iraq defines
the destiny of the world, including for the American people. You can see
the families of U.S. soldiers waiting for their sons, brothers, men to
return home peace-fully. Where is the distribution of justice and peace
there? If there is someone who feels safe, it's only [U.S. President
George W.] Bush, but the American people are suffering due to
the floundering, reckless policy of their president.
全てのイラク人が政治プロセスの一部です。
皆が自分が適切と思うようにイラクを築きます。
最も重要な問題は米軍撤退の為のタイムテーブルです。
政治が公正を達成するために機能しています。
我々はいつでも、どこでも、占領下に公正がないであろうことを知っています。

Your partners in the ruling coalition are very much against insisting
that the Americans leave immediately from Iraq, that it would be
a disaster. I am still in favor of the independence of my country and
the departure of the occupier. We want to build our country by our own
hands. I demand a timetable. Even if it is for a long time, it doesn't
mean it isn't possible to have a timetable for it. I collected more than
2 million signatures of people who support the departure of U.S. troops.
I collected the signatures of more than 130 National Assembly members.
私は今でもまだ私の国の独立と占領者の撤退を望みます。
我々は我々自身の手によって我々の国を築くことを望みます。
私はタイムテーブルを要求します。
たとえそれが長期間であるとしても、それはタイムテーブルを持つことは
不可能だということを意味しません。
私は米軍撤退を支持する2百万以上の署名を集めました。
私は130以上の国民議会メンバーの署名を集めました。

Isn't it true that American advisers are not allowed into the ministries
you control?
アメリカのアドバイザーがあなたがコントロールする省に入るのを許されない
ことは本当ではありませんか?

Yes, it is forbidden, and it is prohibited for anyone to deal with them.
Otherwise he will be disobedient to God and I will have no relation with
him.
ええ、禁じられています。

Can you tell us something about yourself personally? Married? Children?
あなたは個人的に幾分あなた自身について我々に話すことができますか?
結婚していますか? 子供は?

I am married;I have no children.I was 25 when my father was assassinated
[by suspected Saddam agents in 1999]. If he was alive, the U.S. would
never have been able to come to Iraq. My father once said, "If I pass
I will go with a comfortable conscience. My death will bring happiness
to Israel and America."
私は結婚しています;私は子供を持っていません。
私の父親が[容疑をかけられたサダムのエージェントによって1999年に]
暗殺された時、私は25歳でした。
もし彼が生きていたなら、合衆国は決してイラクに来ることが可能ではなかった
でしょう。私の父親がかつて言いました、「もし私が通過するなら、私は快適な
良心で行くでしょう。 私の死は幸福をイスラエルとアメリカにもたらすでしょ
う」

Do you feel Sharia [Islamic religious law] should be more explicitly
a part of the Iraqi Constitution, and Iraq should be an Islamic republic
more along Iranian lines?
あなたはシャリア[イスラムの宗教的な法律]が一層明示的にイラクの憲法の
一部であるべきである、そしてイラクが一層イランのラインに沿ってイスラムの
共和国であるべきであると感じますか?

We want an Islamic society, in which we live in peace and Islam.
我々は我々が平和とイスラム教に住んでいるイスラムの社会を欲します。


'I Demand a Timetable'
Moqtada al-Sadr on war, peace and occupation.
http://www.msnbc.msn.com/id/12550915/site/newsweek/from/RL.1/

Interview: 'He Is Not an Ogre'
The man in black has no cause to apologize,says a top member of his group.
http://www.msnbc.msn.com/id/12115519/site/newsweek/from/RL.1/



 <私の感想>

まず、上記の和訳については、自信がありません。
間違っている箇所があれば、指摘して頂ければ大変有り難いです。
宜しくお願い致します。

上記の和訳が正しいと仮定すれば、
私の感想は以下のようになります。


サドル師の言動が一致したものであるかどうかは、
議論の余地があると思いますが、
この声明の内容そのものは、とてもオーソドックスで、
内容的には、私は全く賛同できます。
正論だと思います。

・スンニ派抵抗軍とシーア派抵抗軍があるのではなく、
あるのは、ただイラク・イスラーム抵抗軍だということですね。
スンニ派かシーア派かという区分けばかりが目につく中にあっては、
とても新鮮な表現だと私は感じます。
ただ、スンニ派レジスタンスは、自身で宗教派と民族派が半々だと述べて
いましたので、その点は宗教家としてのサドル師の見解は違うと思います。
抵抗軍にスンニ派かシーア派かという区分けは意味がないのはそうなのですが、
抵抗軍には、宗教派だけではないということですね。
宗教派もいれば、各種民族主義派もいれば、
自由主義者や労働組合等、種々の思想・立場でも構わない訳ですからね。
もし、それを知っている上で、あえて宗教派だけに限定したのであれば、
その見解は誤っているだけでなく、ある政治的立場の表現ともなってしまうと
私は思いますが。
つまり旧バース党系は認めないとか。
更には宗教派以外の思想は認めないとか。


・内容的には、スンニ派武装勢力に、一般市民への無差別テロを否定するのか、
肯定するのか、どうするんだと問い詰めているのは、正論だと思います。
もちろんアルカイダ系を除けば、公式に無差別テロを認める筈はありませんが、
もうそんな公式声明なんかでは通用しません。
スンニ派武装勢力の中でも1920年革命旅団は、
明確にアルカイダと戦うことを他の組織に呼びかけています。
アンバール革命軍もアルカイダと戦うことを表明しています。
では、その他のスンニ派組織はどうするのだと問い詰めているのだと
私は解釈しています。
例えば、アンサール・アル・スンナは、アルカイダと戦うのか、
共闘するのか、どっちなんだと、はっきりしろと。

それを別の表現で表すと、タクリフィスに対して、肯定するのか、
否定するのか、どっちなんだと、はっきりしろと詰め寄っていると
私には聞こえます。

タクリフィス、つまりシーア派は異端であり、殺害してもよいのだという奴らを
肯定するのか、否定するのかはっきりしろと。
実質的には容認するなどという従来の姿勢ではもう通用しないのだと。

スンニ派アラブ人の間では、タクリフィス思想は一定の支持があります。
ただ、シーア派を異端だとする考え方と、
異端であるシーア派を殺害してもよいのだという、
この両者には全くの飛躍と断絶があります。

つまり、思想・イデオロギーの次元で、シーア派を異端であるとするのは、
一つの考え方として、別に構わないのです。

そこにつけ込んで、更に、だからシーア派は殺害してもよいのだとなれば、
そこには明確な飛躍と断絶があります。

前者は単なるイデオロギー闘争、思想闘争の次元の問題ですが、
後者は、シーア派への無差別テロを肯定し、実践するテロリストだからです。

サドル師は、この後者を、肯定し容認するのなら、共闘しないと、
奴らを明確に否定することが共闘の前提だと呼び掛けているように
私には感じ取れます。

そして、そういう意味で、私はこのサドル師の声明に全面的に賛同します。



現在のサドル師は、武装闘争一点張りではありません。
むしろ政治闘争に力点を移しています。

サドル師自身は、現在は闘争の三段階の三段階目、
つまり政治闘争の段階だと最初に述べています。

共闘とは、もちろん、反占領闘争における共闘です。
反占領闘争とは、武装闘争のみを意味する訳ではありません。
政治闘争と武装闘争の統一です。

政治闘争で、外国軍撤退が実現できるのであれば、それでよいのです。

サドル師自身は、今は、政治闘争主体ですが、武装闘争を否定していません。
もっと言えば、武装闘争を行う力を背景にしなければ、現在のイラクでは
無力であるというリアリズムがあるのではないかと思えます。

サドル師は、戦略的にイラクという統一国家の建設を目指しています。

だからこそ、クルドの主張する統一国家イラクの分裂への動きに
反対しているのだと思っています。
(クルド自治区にマハディ軍を派遣したのもそういう意図だと解釈しています)
同様に、SCIRIの南シュメール連邦構想にも警戒し、反発し、対立し、
抗争しているのだと思っています。
(それはシーア派内での主導権争いとして現象します)

連合軍が平和裏に撤退するのであれば、軍事的に戦う必要はありません。
サドル師は声明で「撤退のタイムテーブルが長期的なものになったとしても」と
述べています。
つまり、半年後とかではなく、例えば、二年後になるとしても、
撤退のタイムテーブルが重要だと述べています。
二年後ということになれば、二年後でもよいのですが、
では、二年後に撤退するのなら、それでよしとすると。
もし、二年後と言っておきながら、それを守らない時は、
武力に訴えてでも撤退してもらうと。
リアル・ポリティックスの世界ですから、単なる言辞だけでは無力です。
武力保持の圧力を背景に、言葉通り撤退してもらおうじゃないか
ということなのではないでしょうか。

クルド自治区には、米軍は存在せず、クルド民兵が治安維持を行っています。
シーア派地域でも、既に外国軍は存在せず、シーア派民兵が治安維持している
県はあるし(ナジャフ、カルバラ等)
更に、ムサンナ県、バスラ県と次々に、外国軍は撤退する予定です。

しかるに米軍が存在しているのは、スンニ派地域の県とバグダッドです。
米軍がスンニ派地域から撤退し、スンニ派主体のイラク軍なり、
スンニ派主体の治安部隊が治安維持活動を担えるようになれば、
米軍が存在する必要もありません。
事実、スンニ派主体のイラク軍も養成し、卒業式を行いました。
地元部族の中にも多くの部族が、スンニ派治安部隊へ参加しつつあります。

私から言わせれば、米軍がスンニ派地域に存在していることこそが、
アルカイダ系の存在意義を生ぜしめ、
アルカイダ系の延命を結果的に手助けしていると思えます。
(それが意図的なものであるというのが煩悩さんの意見ですが)

今、流れているCNNのニュースでも、米軍が戦闘機で空爆し、
民間人が被害を被ったと報道しています。

米軍がスンニ派地域に存在し、軍事行動をとるのですから、
スンニ派武装勢力が武装闘争を行っているのです。
米軍が攻撃してくるのに、武装解除しろと言っても無意味です。

本当に米軍が撤退したいのなら、スンニ派武装勢力と
停戦するしかないのではないですか。
スンニ派地域で、スンニ派地元民兵に
治安維持活動を担ってもらうしかないのではないですか。

ファルージャの警官募集へのテロ行為を私は卑劣なテロとして糾弾します。
米軍が存在する限り、治安部隊は攻撃の対象になってしまいます。
米軍が停戦に応じれば、スンニ派地域の治安部隊は、
その存在意義が変わるのです。
停戦後にも治安部隊を攻撃する者は、正真正銘のテロリストとして
スンニ派自身が、これを粉砕すると思います。



アルカイダなど少数だと米政府系シンクタンク等が述べています。

そして、同シンクタンク等によれば、
それに比して、地元武装勢力は、数万人だと。
更にはその予備軍は数十万人もいると述べています。
つまり、そんな少人数のアルカイダ系なんて、数万、数十万のスンニ派自身が
いとも簡単に粉砕できるのではないでしょうか。

事実として、アルカイダ系やその支持者が多数を占める国なんて
世界中のどこにも存在しません。

占領に対する抵抗は正当だと、カイロ会議で公式に公表されました。
占領軍への攻撃は正当だとの支持はスンニ派地域では88%でした。

私はどんどん武装闘争をやれと無責任に言うつもりはありません。
それどころか個人的には、平和的、合法的闘争のみに限定して欲しいくらいです
しかし占領下に苦吟する人々が武装抵抗を選択するのは彼らの意思です。
私に止めろなんていう権利はありません。
ただ、反占領闘争に一般市民への無差別テロを内包するなら、
その部分は批判します。

占領者の論理と
被占領者の論理とがあるのです。

かのブレジンスキー氏も、米軍は負けていると公言しました。
ブレジンスキー氏の言にも耳を傾けてはどうでしょうか。

IED攻撃を阻止できているのは、まだ半数くらいです。
発見する努力を高度化しているし、その技量も高度化しているのは認めます。
でもその絶対数から考えると、今後も確実に膨大な被害者が生み出されることは
確かだと思います。

私は本心を言うと、米兵にも大いに同情しているのです。
こんなIEDに神経をすり減らされ、
一軒一軒ドアを蹴破って家宅捜索するのも、気が滅入るでしょうね。
検問所で車を止めるしぐさを、現地イラク人方式へと学習し始めたのは、
やっと今年になってからです。こんなことでは駄目です。

大体、米兵に、テロリストとレジスタンスを区別する能力はありません。

米軍ができるだけ一般市民への被害を減らすべく努力していることは
よく理解できます。
ファルージャで、地上部隊が、戦闘機に空爆を要請したら、目標が精密には
確定できないと、空爆要請を拒否したパイロットの話も「ファルージャ栄光なき
死闘」に記述されていました。

チェチェンのロシア軍の信じられないような悪逆非道ぶりと比すると、
米軍は、紳士的、人道主義者にすら見えてしまいます。
(それだけロシア軍はチェチェンで蛮行をはたらいています)
しかし、だからといって、米軍の悪行の数々も免罪されません。
意図したものではない場合も含めて、一般市民をも多数殺傷してきたことは
客観的事実です。

米兵の死傷者数だけでなく、PTSDの問題も深刻です。

はっきり言って、もう止めませんか。
米兵の為にももう何とか停戦する努力をこそしてはどうでしょうか。


サドル師の父親も叔父も大アヤトラでした。
そして二人ともフセインに虐殺されました。
更にはサドル師の兄弟もことごとく虐殺され、
ムクタダ・サドル師は、サドル家の最後の希望の星です。

イラクでは、サドル家とハキム家という二大名家が
歴史的に大アヤトラを輩出してきました。

親イランということだけなら、SCIRIの方がゴリゴリの親イランです。
イランに亡命し、イランで軍事訓練を受け、イラン製の武器で武装し、
ペルシャ語を話す、これがSCIRIのバドル旅団です。
フセイン政権への怨念はよく理解できますが、
その怨念を現在のイラクで晴らしているのがバドル旅団です。
旧バース党員を見つけ出して、虐殺しているのが彼らです。
「宗派対立」の最大の根拠は、内務省をSCIRIが握り、
スンニ派への虐殺を行ってきたバドル旅団です。

サドル師のマハディ軍が「宗派対立」に加担していないとは言いません。
加担したと思います。
しかし、バドル旅団より、マハディ軍が「宗派対立」の主役だとは
私は思っていません。

イラン・イラク戦争時に、イラン軍と共にイラク軍と戦ったのがバドル旅団です
つまり、バドル旅団に殺されたイラク人もまたたくさん存在するのです。
そういうバドル旅団を快く思っていないイラク人もまたたくさんいるのです。
海外亡命組よりも、国内派のサドル師への支持の方が、
青年層の不満層を中心に高いと思います。

ムクタダ師の父親や叔父がフセインに虐殺された時、
何もできなかった。だから今度もしムクタダが殺害されそうになったら
この身を捧げても阻止するという根強い信奉者も多いのです。

Interview with Moqtada al-Sadr: (Newsweek)2006.5.2