「スンニ派はある意味では過ちを犯したことを認めています。
政治的なプロセスに参加するしかない。
自分達は敗北しているということを認識しています。
モスルの一女性は、
『民主主義をもたらしてもらいたかったけれど、考えを変えたわ。
 今はパンと燃料が欲しい。
 米軍には撤退を求める』と言っていました。
そういうことなんでしょう。

バグダッドの市長と自宅でインタビュー中に停電になりました。
インフラ不足、基本的なニーズが満たされていない。

誰が武装勢力なのかを把握するのが難しいんです。
挨拶を交わしたって、彼らが武装勢力のメンバーだなんて分からない筈です。
武装勢力は好きな時に好きな場所で攻撃を仕掛けられます。
地元の人達が武装勢力のネットワークを支持しているようです。
多くの武器や資金を持っています。
二人の武装勢力の幹部と話しました。
彼らは米主導の占領と戦う。
ナショナリズムの一環だと考えました。
フセインのことは信じていませんでした。
ただ米部隊の撤退を求めていました。
武装勢力の関係者と話すと、こういった印象を受けるんです。
武装勢力は今まで以上に強くなって、確固たる意思を持つようになったと。
(NICK ROBERTSON)

クルド人ビジネスマンはイラクにとってシリコン・バレーのような場所を
提供するだろうと考えています。極めて前向きでした。
今も楽観論を捨てていません。
「模範となりたい。国に投資したい。地域の経済を復興させたい」

バグダッドの緊急医療部隊のトップであるサバ博士。
救急車輌は無線もなく、携帯電話を使っていました。
携帯電話は時には使えないこともありました。
クローゼットほどの大きさしかないレスポンス・ルーム。
テレビのニュースをつけっ放しにしておき、
事件が報道されると、そこに救急車を送る。
救急車は40台くらいしかありませんでした。
(今は百台以上ある。無線も増えてきた)
イラクの医師は攻撃・誘拐の対象となります。
家族などが脅され、辞めることにしました。
(ANEESH RAMAN)

ワセド・アミルさん:イラク警察少佐
彼は占領がどんなものかを見て、傷付いていました。
占領軍は間違いを犯していると思いました。
アミルさんの家族はとても謙虚な人達でした。
私達を謙虚にさせました。
この国の為に命を懸けていたんです。
そして米軍の為に毎日のように命を危険にさらしていたんです。
ロウソクが使われていました。電気がないからです。
グリーンゾーンの守られた家に住んでいたにも関わらずです。
キッチンにはほとんど何もありませんでした。
簡素なクラシックなテーブルとイスでした。
奥さんは夫や息子や子供が無事に家に
帰ってきてくれることを朝、期待するだけなんですね。
警官の友人を25人失いました。
アミルさんは言う。
『世界はアメリカを助けなくてはいけない。
 政治的な解決法を見つけるのを手伝ってあげなくちゃいけない。
 今は悪い状況ですから』

ラティフさん。電気省の担当官でした。
フセインがいなくなる日を待っていたと言います。
甥が運転する車に乗った妻と子供六人が米軍に射撃される。
妻は車から出て、走っていって、撃たないで、撃たないでと米軍に叫んだ。
米軍は彼女も撃ってしまった。
それを行った兵士に会いに行きました。
本当に心が傷付いていました。
「このラティフさんの家族の写真を私は見ない日は決してないでしょう」
一生忘れられないと言っています。
ラティフさんは
「起きるべきではなかった悲劇だ。もっと慎重であるべきだった」
(JANE ARRAF)

違った場所で違った問題を抱えている。
破壊され、拷問を受け、殴られ、叩かれても、
まだこの国を一つに取り戻そうと思っている人達がたくさんいる。
そして選挙は、その小さな一部なんです。
強い、驚くべき意思があるんですね。
イラクの将来を創ろうという。
小さな形で一つ一つ皆やってるんです。
自分達の生活を続けることで、
諦めずに希望を維持することで、
続けようとしてるんです。
(ANEESH RAMAN)

イラクでは白も黒もないんです。
永久に灰色なんですね。
だからこそ大変なんです。
確実なものは何もないからです。
私達は歴史を目撃しているからなんです」
(JENNIFER ECCLESTON)

「1000 Days in Iraq」:CNN