「ABCはCIAの秘密収容所が存在する東欧の二カ国をつきとめました。
しかしCIAは治安上の問題からその二カ国は明らかに報道しないようにと
述べいています。
CIAはライス国務長官が五日ヨーロッパに到着する前の時点で
ヨーロッパにある秘密収容所はもぬけの殻となり、
国際テロ組織アルカイダのテロ容疑者を北アフリカに送ったことを
ABCに伝えてきました。
アルカイダのトップ指導者八人と他三人が東欧二か国に収容されていました。
この二カ国ではCIAが最も厳しい方法で取り調べを行うと共に
弁護士との接見や司法手続きなどは認められませんでした。

「21世紀のテロ容疑者は従来の刑法や軍隊の司法制度には馴染みません。
 そこでアメリカは違った方法を採用しなければなりません」
 (ライス国務長官)

TEREN WOJSKOWY WSTEP ZABRONIONY
人権擁護団体はこの空軍基地にあるポーランドとルーマニアに
CIAの飛行機が着陸したと述べています。
ポーランドのテレビ局はこの空軍基地と空軍基地の元従業員が
去年CIAの使用している飛行機の形状と一致する多くの民間ジェットが
世界中のテロ容疑者を秘密裏に移送している場面を目撃したと伝えています。

ポーランドのシコルスキ国防相は秘密収容所などないと
「ポーランドの首相はテレビ報道を否定しています」
<その言葉を信じますか>
「もちろん、首相ですから」

人権擁護団体はルーマニアにあるこの軍事施設にも
CIAの秘密収容所があるとにらんでいます。
ルーマニア首相も否定しています。

「ポーランドとルーマニアの現在の政府高官は、
 前の政府高官が関わった問題なので、本当に知らないのかもしれません」
(JOHN SIFTON:Human Rights Watch)

CIA APPROVED ENHANCED INTERROGATION TECHNIQUES

1.attention
grab

2.attention
slap

3.belly slap

4.long tern
standing
and sleep
deprivaition

5.cold room

6.water
boarding

「テロ容疑者であれば、取調べの後で起訴して罪を償わせなければなりません。
 しかしいずれも正当な法に従った方法を用いるべきであって、
 有罪か無罪かも全く分からない事件で秘密収容所などに収容してはならない
 筈です」(JOHN SIFTON:Human Rights Watch)



 レバノン生まれのドイツ人のアル・マズリさんは、
2003年、マケドニアに入国すると逮捕されてしまいました。
その後CIAは取り調べの為、
アフガニスタンのカブール郊外にある収容所に密かに送りました。
「法律などない国に来たと言われました。
 誰もお前のことなど知らないし、居所も分からない。
 どういうことか分かるかと言われました。
 埋葬されてしまうかもしれない、
 あるいは30年も留められるかもしれない」
その後、アル・マズリさんは解放され、アルバニアに送られ、
道路に置き去りにされました。

「ライス国務長官は、独伊なども実情を知っている、言わば共犯であって、
 同罪であると暗にほのめかしているんです」
(JOHN SIFTON:Human Rights Watch)

アル・マズリさんは、アトランタで入国を拒否され、独へ強制送還されました。

water boarding:この訓練を受けたCIA工作員によると、
14秒から18秒しか我慢できないということです。

<私達はアメリカは拷問を行っていないと自らを騙しているんでしょうか>
「自らだけでなく、世界を騙しているんです。
 その収容所で行われていることは、どんな定義に照らしてみても拷問なんです
 私達は自分達では拷問と呼んでいないものの、世界の他の国々と人権団体が
 拷問と呼んでいるテクニックを使っているということなんです。
 要するにこれはどんな名前を付けるかということなんです。
 だからこそライス国務長官も大統領も拷問はしていないという言い方をします
 副大統領は人命を救う為の情報を入手する為には
 闇の部分が必要になるという言い方をしています。
 法的には大問題です。
 我々は拷問を禁止する条約にも署名していますし、法律もあります。
 ただ法律的な意味は何をすれば拷問になるかという定義が
 はっきりしていません」
(ALAN DERSHOWITZ:Harvard Law School)


 Washington Post:black site
少なくとも百人が収容されていた
八カ国:ポーランド、ルーマニア、コソボ、ヨルダン、モロッコ、エジプト、
    アフガニスタン、タイ

「仮に加盟国や加盟候補国が協定に反し収容所を置いていたら
 EUは厳罰を科す方針です」(EU:フラティニ副委員長)

「独では目的や乗客が不明な着陸が437回記録されています。
 英では210回、ポルトガルは34回、伊は17回」(BBC)

「米政府は収容者に拷問などを行わないと確約すべきです。
 さもなければテロリストと我々の区別ができなくなります」
(マケイン上院議員)



 Amnesty International Europe 支部の声明
「Amnesty International Europe 支部の責任者は
「憂慮すべき展開です。問題は終わっていません。
 ヨーロッパはアメリカの答えを待っていたのに、結局一般論だけで
 アメリカが世界中で拷問をしていることは明らかにされませんでした。
 そしてより重要なのは、彼らは拷問を止めるのかということです」

市民達もヨーロッパ各国政府の立場が
早くも後退していることに不満を表明しています。
今後は民間の人権保護団体が
イニシアティブをとっていくことになるとみられます」

SECRET CIA PRISONS:ABC NIGHT LINE (2005.12.6)