「「在日」を生きる」(尹健次)岩波書店 2400円

 著者は、在日二世で、神奈川大学教授です。
 朝鮮人による、朝鮮人自身への自己否定的な、自己反省も
キチンと述べています。
・儒教思想が伝統的な朝鮮民族の家父長制
・朝鮮総連における官僚主義、政治主義、イデオロギー主義
・在日一世と二世・三世以降との世代断絶
・在日組織(総連と民団)における対立
・65年の日韓基本条約による韓国政府の棄民政策

 1910年の「韓国併合」により、ロシア領へ脱出した朝鮮人の
中には、1917年のロシア革命に参加し、極東におけるソヴィエ
ト権力樹立に向けてロシアの労働者・農民と共に闘ったという
ことを知りました。
 同様に中国領に逃れた朝鮮人は中国人と共に抗日パルチザン
闘争を闘いました。その間の事情は、「戦争と人間」や、安彦
良和の「虹色のトロツキー」に描かれていますね。
 抗日パルチザンの中でも、中国人から朝鮮人が差別されると
いう悲劇までキチンと描いていました。