米軍がラマディに大規模攻勢
US offensive against ar-Ramadi begins at dawn Wednesday
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/06_Resistance_Report_20060510.html

ラマディでの攻防、5月13日
http://www.freeml.com/message/organizer-news@freeml.com/0001235



Where The Danger Is
Marines In Ramadi Try To Keep Control In Iraq's Most Dangerous Region
RAMADI,May 11
http://www.cbsnews.com/stories/2006/05/11/eveningnews/main1612946.shtml

Danger In Iraq: Up Close And Personal 
Marines Face Attacks Daily In Ramadi, The Heart Of The Insurgency
RAMADI,May 12
http://www.cbsnews.com/stories/2006/05/12/eveningnews/main1616153.shtml
(それぞれVIDEO映像を観ることもできます)


The most dangerous part of Iraq is still the region west of Baghdad,
especially the city of Ramadi. That's where CBS News chief foreign
correspondent Lara Logan joined U.S. Marines for her series,
On The Front Line.
イラクで最も危険な街ラマディ

The Marines of Kilo company are under attack yet again.
They're on the roof of the government center,
and the enemy has just opened up.Small arms fire came in first.
The Marines have returned fire with everything they've got.
キロ中隊の海兵隊員はまた攻撃を受けています。
彼らは政府庁舎の屋根の上にいます。
敵はちょうど攻撃を始めたところです。
小火器の銃火が最初にやってきました。
海兵隊員は持てるもの全てで撃ち返しました。

From their posts on top of the building,
they defend the government center,now the symbol of U.S. efforts
to stabilize the most violent region in Iraq.
ビルの屋上から、政府庁舎を守ります。
それは今や、イラクで最も強暴な地域を安定させるアメリカの努力の象徴。

Three of their positions are taking fire simultaneously.
That's something 21-year-old Lance Cpl. Jefferson Ortiz says
the Marines quickly get used to.
この日は拠点三か所が同時攻撃を受けました。
21歳のジェファーソン・オーティズ兵長は、すぐに慣れると言います。

"Every Saturday ... Saturday at the government center right here,"
he says.
"This is our weekend right here. No spring break for us. Just shooting."
「毎週土曜日に政府庁舎のちょうどここに」と彼が言います。
「ここで我々の週末です。我々の為の春休みはなしです。ただ銃撃だけ」

The deathly whine of incoming rounds is overwhelmed by the thunder of
the Marines' guns. Their commander says there must be no doubt
they mean business.
入ってくる弾丸の死のようなヒューという音は海兵隊員の銃の轟音によって
圧倒されます。

"Strength speaks volumes in this part of the world," says Capt. Andrew
Del Gaudio. He speaks from experience: His Marines battled al Qaeda
in this attack on Abu Ghraib prison on April 2 last year.
「ここでは力がものをいいます」とアンドリュー del Gaudio 大尉は
語ります。彼は経験を話します:彼の部隊は去年4月2日の
アブグレイブ刑務所に対する攻撃でアルカイダと戦いました。

On April 2 of this year, he lost three Marines and
a sailor to a roadside bomb in Ramadi.
今年の4月2日に、彼は Ramadi で道路わき爆弾の為に
3人の海兵隊員と水兵を失いました。

Kevin Johnson, a 19-year-old lance corporal, says for him,
that was the day the war became real.
19歳のケビン・ジョンソン上等兵は、「戦争が本物になった日でした」

Says Johnson, "Every time I put on my gear, I pray over it:
'Lord let me make it through this day, let my platoon make it through
this day,let no more Marines have to die.'"
ジョンソン上等兵「私はいつも祈ります:神が私にこの日を乗り切らせて、私の
小隊にこの日を乗り切らせて、これ以上海兵隊員が死ななくてもよいように」

The reality is that more Marines probably will die here.Half of all U.S.
servicemen killed in Iraq during March gave their lives in Ramadi,
now the last major stronghold of the Iraqi insurgency.
現実はもっと多くの海兵隊員がおそらくここで死ぬであろうということです。 
 3月に死亡した米兵の半分が Ramadi でです。
今イラクの武装勢力の最後の主要な拠点です。

Incoming mortars, like a 60mm round that failed to detonate,
remind Kilo company how close they come to death every day.
キロ中隊には、毎日60ミリの迫撃弾などが撃ち込まれます。
この不発弾を見ると、いかに毎日死と隣り合わせか分かります。

"It's about 10 feet from our post over there ? 10 to 15 feet," says
a Marine of the failed mortar round. When asked if he'd been lucky,
the Marine replied, "Yeah … countin' the days ?
you gotta roll those dice, you know."
「それは我々の場所から約10フィート?10から15フィート」と不発だった
迫撃砲弾の海兵隊員が言います。幸運であったかどうか尋ねた時、海兵隊員は
「そう、毎日サイを振っている気分です、賭けです」

No one is gambling more with his life than the Iraqi governor in charge
of Ramadi, Maamoon al-Awani, who has survived 29 assassination attempts.
In the latest one, last week, 10 people died but the governor escaped
unhurt. He returned to work at the government center the next day ...
where it was business as usual: The Marines silenced their attackers,
again. But it's never for long.
29回の暗殺未遂から生き残った Ramadi の Maamoon アル・ Awani 知事よりも
誰も命の賭け事をしている人はいません。
最近では、先週、10人が死亡しました。しかし知事は無傷で逃げおおせました。
翌日また平常通り政府庁舎の執務室に戻りました。
『いつものこと』といいます。
海兵隊員は、またまた攻撃を受けます。しかし長くは続きませんでした。

The Marines face an average of five attacks per day. This time, muzzle
flashes are seen from a deserted building repeatedly used to attack them
海兵隊員は一日平均五回攻撃を受けます。
今回は、人気のない建物、何度も攻撃に使われている建物といいます。

The enemy moves in and out of these houses freely because
they're unoccupied. Lt. Carlos Goetz says it's a constant battle to deny
them safe haven.
それらの建物は占拠されていないので、
敵はこれらの家の中にそして中から外へと自由に動きます。
カルロス・ゲッツ中尉は、彼らに安全な場所を与えないようにする
絶え間ない戦いだと言います。

This time, two 500-pound smart bombs slam into the back side of the
building, followed by three more. The Marines estimate eight enemy dead,
so it's a victory of sorts. But even they say "we cannot kill all the
people here who want to kill us." Their priority is keeping each other
alive ? and keeping the government center out of enemy hands.
今回は、2発の500ポンド・スマート爆弾が建物の後ろ側に着弾します。
その後更に三発続きます。海兵隊によると、敵八人が死亡。
ある種の勝利かもしれません。
しかし、『全ての武装勢力を殺害することはできない』といいます。
お互いの生存を確認すること、そして政府庁舎を武装勢力の手から
遠ざけることです。

Says Capt. Del Gaudio, "They'll never take this building.
We'll die here before they'll take this building from us."
『奴らにはこの建物を制圧することはできません。
我々は、そんなことをさせるくらいなら死んだ方がまだましです』と
del Gaudio 大尉

In less than nine months,
that commitment has already cost 14 American lives.
九か月近くで、この任務の為に既に14人の米兵の生命を犠牲にしました。



In downtown Ramadi, the fight with the Iraqi insurgency is up close ?
and, as CBS News Chief Foreign Correspondent Lara Logan reports,
for one company of U.S. Marines, it's very personal.
Ramadi のダウンタウン

In a Ramadi market, Lt. Carlos Goetz has found propaganda
glorifying the killing of his fellow Marines.
Ramadi のマーケットで、カルロス・ゲッツ中尉は、プロパガンダが
彼の同僚の海兵隊員の殺害を褒め称えているのを見いだしました。

"Close your store, and if you get froggy, I will kill you,"
he says to some men who are being cuffed and thrown into a Humvee.
"Getting froggy" is Marine-speak for "don't try anythng."
「店を閉じろ、もしお前が froggy を受けとるなら、お前を殺す」
手錠を掛けられて、ハンビーの中に放り込まれる何人かの男達に言います。
「froggy を受けとる」とは「何もするな」という海軍の言葉です。

Ramadi has become the operational center of al Qaeda and the symbolic
heart of the Iraqi insurgency. So Kilo company has taken the fight to
the most dangerous city streets in all of Iraq, hunting their enemy
where they hide ? among the population.
Ramadi はアルカイダの活動の中心となり、武装勢力の象徴となりました。
そこでキロ中隊は、住民の間に隠れている敵を狩る為に、
イラク中で最も危険な通りに出て、戦いを挑みました。

"We're not out with snipers hitting people a click away,"says Marine 2nd
Lt. Brian Wilson. "We're opening a door and there's a guy 15 feet away."
Lt. Wilson lost four of his men just over five weeks ago. The day after
CBS News joined his platoon on this patrol, he nearly lost two more.
ウィルソン中尉は五週間前に部隊の四人を失いました。
CBSがこのパトロールに加わった翌日、彼は更に二人を失いました。

"Something hit me in the back; it felt like a sledgehammer," says Pfc.
Charles Mitchell. "It just spun me around."
「何かが私の背中に当たりました;大きなハンマーで殴られたような感じが
しました」チャールズ・ミッチェル。「それは私をくるくる回転させました」

The plates in their body armor saved Mitchell and Lance Cpl.Sean Madison
.But it was the second ambush in two days, so Lt. Doug Hsu,
about to head out on patrol, made a critical call.
ボディー・アーマーは、ミッチェルとショーン・マディソン兵長を救いました。
二日間で二度目の待ち伏せでした。
それで、パトロールに出発しようとしていたダグ・スウ中尉は、
重要な連絡をとりました。

"We're gonna bring out the gun trucks because we've been taking a lot of
contact on the egress routes back into the (government) center,"he says.
「我々が政府庁舎に戻るルートで今まで多くの連絡をとっていたから、
我々は武装車輌を出すつもりです」と彼が言います。

It's a decision that would save his men's lives. 
それは彼の部下達の生命を救う決定です。

Hsu's first squad heads down some busy streets to take up
lookout positions in a house less than a mile from their base.
スウ第一小隊は基地から1マイル以内の家に見張り場所を陣取る為に
いくらか人通りの忙しい通りを下ります。

At the same time, a few streets away, a sniper began targeting
his second squad. 
同時に、数本向こうの通りで、狙撃兵が第二小隊に目標を定め始めました。

Hsu senses growing signs that the enemy may be planning something bigger
スウは敵がより大きな計画を立てているかもしれないという徴候を感じます。

"The people are getting off the streets," he says,
"so basically the thinking is they're trying to maneuver in on us."
「人々は通りから離れていきます」
「基本的な考えは彼らが我々をたぶらかそうとしているということです」

The tension is written on the men's faces as they plan their route back
to base.
基地に戻るルートを計画する時、男達の表情に緊張感が表れます。

"We’ll probably get hit when we're going back to friendly lines,"
Hsu says.
「我々が親しんでいるルートに戻ると、おそらく攻撃されるでしょう」と
スウが言います。

As the Marines start to head out,
they eye Iraqi men huddled just off the street watching them pass.
海兵隊員は出発し始めながら、彼らが通過するのを見て通りから離れて
寄り集まっているイラクの男達をじろじろ見ます。

On the final approach to the base, they find that the shopkeepers have
fled, their goods still on display. Then it begins. Out of nowhere,
the first shot slammed into a Marine.
基地への最終アプローチで、彼らは小売店主が商品を広げたまま逃げたことに
気付きます。
そして攻撃が始まります。どこからともなく最初の銃弾が海兵隊員を襲います。

On the way back into the base, the firing started.
One Marine was wounded in the leg.
基地への帰路、銃撃が始まりました。
一人の海兵隊員が足に傷を負いました。

Marines rushed into the kill zone to help 19-year-old Lance
Cpl. Phillip Tussy. Under constant fire from both sides,
they get him to one of the gun trucks and begin emergency treatment.
海兵隊員が急いで19歳のフィリップ Tussy兵長に手を貸そうとしました。
両側からの絶え間ない銃火の下で、彼らは武装車輌の中に彼を収めて、
緊急治療を始めます。

Heavy machine guns pounded the insurgent positions as automatic rounds
and small arms fire hissed. The covering fire from the Humvees continued
as the Marines pushed through, finally making it to base.
重機関銃が武装勢力の居場所を襲いました。
海兵隊員が完全に基地に帰還するまでハンビーからの援護射撃は続きました。

Cpl. Tussy survived, but there was no rest for his platoon.
Hours later, they were on their next operation.
Tussy 伍長は生き残りました。
しかし彼の小隊には余裕がありませんでした。
数時間後に、彼らは次の任務に就いていました。

"We expect those sorts of things," says Hsu.
"We suck it up and go on with our mission.
「そういうことは予測済みだ」
「我々はなんとか任務を続ける」

It's a mission that's seen some progress? with the Iraqi security forces
beginning to share some of the burden. But the challenges are still huge
:U.S. commanders admit Ramadi is just as violent today as it was a year
ago.
任務は少しは進展したのでしょうか?
イラクの治安部隊が負担を少し共有し始めたという状態で。
けれども道のりは遠いです:
米国の指揮官達は、Ramadi が、一年前と同じく
現在も荒れていることを認めています。




Danger In Iraq: Up Close And Personal
Marines Face Attacks Daily In Ramadi, The Heart Of The Insurgency
RAMADI,May 12
http://www.cbsnews.com/stories/2006/05/12/eveningnews/main1616153.shtml
@On The Front Line
ADanger: Up Close And Personal

@はラマディの政府庁舎での銃撃戦の真っ最中での取材
Aはラマディの街中を徒歩でパトロールを同行取材し、
 取材中に銃撃を受けている映像

私は、これが米「メディアのプロパガンダ」だということを
敢えて否定するつもりはありません。
確かに、これらの映像には、一般市民の死傷者の映像は映し出されません。
そういう情報はまた別の情報源から得ればよいことだと考えます。
また、米メディアを擁護するつもりも毛頭ありません。
しかし、私は百%真っ黒だとか、百%真っ白だとかという考え方をしません。
敢えて言えば「否定的なものの中にも肯定的要素はある」という考え方です。
まあそんなことより、上記の二本の映像から、私は多くのことを学びました。
そういう意味においては、CBSとLara Loganには大いに感謝しています。

現在のラマディは、「イラクで最も危険な街」だと言われています。
私もそう思います。
そんなラマディの街中を米軍のパトロールと徒歩で同行取材するとは、
私には無謀とさえ思えます。
米兵自身もそうだと思うのですが、
ラマディを徒歩でパトロールするということは、
それはすなわち生きて帰れないかもしれないという
現実的可能性があると思います。
私のような小心者には生きた心地がしません。

事実、取材中に銃撃戦となり、数メートル先にいた米兵が足に銃弾を受け、
必死で走り、身を屈めるLara Loganの映像も生々しいです。
もちろん、防弾チョッキを身に付け、ヘルメットを被っていますが。
そんなものは命の保証にはなりません。

Aの映像には、
・蜘蛛の子を散らすように通りから市民が走り去る映像、
・商品を並べたまま、商店主が姿を消した店の映像
そして、その直後から銃撃が襲ってくる映像

つまり、武装勢力が、攻撃を始める前に、地元市民に即刻逃げるように
警告を発しているということを、リアルな映像で私は初めて観ました。
そういう意味では、その武装勢力とラマディ市民には、
コミュニケーションがとれているとも思えます。
だからといって、それだけでは、市民の多くが、
その武装勢力を支持しているかどうかまでは判断できません。

市民が大勢たむろする只中で攻撃を始めれば、市民にも被害が出る為、
現在、ラマディで米軍を攻撃している武装勢力は、
どういう勢力なのかは分かりませんが、その中には、少なくとも、
攻撃を始める直前に市民に警告を発する武装勢力が
確かに存在しているとは言えると思います。


「イラク 武装勢力のメディア戦略」NHK
http://ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/iraq/2006/05/nhk_d1a6.html
・アンサール・スンナのビデオ
ラマディの軍事部門責任者へのインタビュー
「攻撃対象から商店や市場、モスクをできるだけ外し、
民間のイラク人が被害者とならないようにすること。
その為我々は爆発物の設置や襲撃を
なるべく一般人を巻き込まない場所で行うようにしている。
建物の陰から米軍に奇襲を仕掛け、
一般人を恐怖に陥れないようにする為と、
道路が封鎖される事態を避ける為だ」

言葉としては、武装勢力が、地元住民が被害者とならないように配慮している
とは、聞いていましたが、実際にそのリアルな映像を観たのは、初めてです。

「ファルージャ 栄光なき死闘」にも、
・さっきまで通りにたむろしていた市民の姿がさっと消える
・さっきまで少し離れた所にいたイラク警察の警察官達が、さっと消える
これは、つまり攻撃が始まる前兆だと書かれています。
まあ、米兵も命が掛かっていますから、自分の命を守る為にも、
周囲のそういう兆候に常時目を配っているでしょうね。
それは、武装勢力の側からすれば、市民への被害を減らすということ、
つまり、地元住民の支持がなくなれば、存続さえ不可能になっていく訳ですから
そういう意味では不可欠の配慮です。
しかし、それは同時に敵に攻撃を始めるよという明白な警告を与えることにも
なる訳ですから、攻撃の奇襲性をなくしてしまいます。
敵に、これから攻撃を始めますよとわざわざ言ってあげている訳ですからね。

そういうリアルな映像を、私は他には観たことがありません。

また、商店街で、米兵の殺害を称賛するポスターを貼っていた商店主が、
後ろ手に縛られ、目隠しされて拘束される映像や、
同様のポスターを貼っていたと思われる別の商店主に、海兵隊員が、
おそらく海兵隊用語の汚い言葉を投げつけている映像もありました。
これは、ラマディには武装勢力を支持している市民がいることの
証明にはなるでしょうね。
反対に、市民が武装勢力を批判するコメントを述べる映像はありません。
まあそんなことをすれば、命が危ないでしょうが、
顔を映さず、音声も加工して放映するという手法も結構あるんですが、
そういう映像さえ撮れないという状況かもしれないと、
問わず語りに語っているとも解釈できなくもありません。

更には、米軍基地のゲートに帰還する時には、
色々な色の煙幕弾を発射している映像までありました。
私は、このことも、つい最近のCBSの別のニュースで初めて知ったのですが、
(On The Front Line In Iraq:RAMADI April 17
(http://www.cbsnews.com/stories/2006/04/17/eveningnews/main1505487.shtml
自分の基地のゲートから入るのにも、わざわざこんなことまでしないと
いけないのかと私は、なんだか情けないような感覚を覚えました。
私は軍事的知識は皆無ですので、これが軍事的にはどういう意味があるのか、
全然分からないので、全くの素人感覚ですが。
軍事的には、これは別に常識的なことなんでしょうか?
基地の入り口さえ安全ではない、つまり危険だということですよね?
スナイパーに狙われている可能性があるということなんでしょうか?

それって、米軍が勝っているとは、とても言えない映像ではないでしょうか。


もう一点、今回の映像でも、米兵がパトロール中に戸口に立つ子供達に
お菓子を配る映像がありました。
CBSの別のラマディの映像では、何人かの子供達の方から、手を差し出す映像を
観たのですが、今回の映像では、自分から手を差し出す子供は一人もなく、
何人かの子供達の手の中に、(無理やり?)お菓子を押し込む?という風に、
私には観えました。


ラマディの政府庁舎で戦う米兵が、
「この政府庁舎を武装勢力に明け渡すくらいなら、死んだ方がましだ」と
語っていました。
これって、戦意高揚になるんですかね?

私の感覚では、悲壮感すら漂っていると感じました。
つまり、これもまた、米軍が勝っているとは到底感じられない映像でした。

なんだか、米軍は勝っていない、武装勢力の方が優勢という感じで、
武装勢力は市民にも支持されているという映像まであって、
何だか武装勢力側のプロパガンダ映像になってしまっているとすら
私には感じられますけどもね。

米メディアが比較的『素直に偏向なく?』報道したものが、
それがそのまま武装勢力のプロパガンダにもなってしまっている
と言ったら、言い過ぎなのでしょうね。




ちなみに、上記でも紹介した
On The Front Line In Iraq:RAMADI April 17
http://www.cbsnews.com/stories/2006/04/17/eveningnews/main1505487.shtml
http://ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/iraq/2006/04/on_the_front_li_a7d6.html
という映像の中には、ラマディ市民を家宅捜査した映像もあって、
その家にはパソコンもあって、液晶パネルには画面がちゃん映っていました。
・結構新しいパソコンを持っているんだなぁということと
・電気がちゃんと通じているということを感じました。
その家の女性達はくつろいでいました。
もちろん、こんな和やかな家宅捜査ばかりであると受け取ったら、
それこそ大間違いだと思いますが。



・CBSというメディア資本とそのバックという実体
・米軍、米政権、民主党、共和党内の増派を求める実体
 そういう諸実体を措定し、その動向・発言との関係でも考えてみる

確かに、パウエル氏の増派要請があったという報道も最近ありましたし、
軍部内、政権内、民主党内にも、増派要求勢力はいます。
そういう勢力の声が反映したものと捉え返すことも可能かもしれませんね。

ただ、それは多数派とも思えません。
民主党・東部エスタブリッシュメントで考えれば、尚更多数派とは思えません。
ただ、
・ブッシュ政権のイラク政策は、イラクでうまくいっていない
・米軍はイラクで苦戦している
というメッセージを伝えるという意味では、
民主党・東部エスタブリッシュメント総体の
最大公約数的な範囲内ではあると言えるのではないでしょうか。


また、イラクの武装勢力の最近の動向との関係でも考えています。
@四月にはタラバニ大統領が、今月にはイラク・イスラム党のハーシミー
 副大統領が、武装勢力と交渉したと発表され、
 武装勢力側はそれを拒否
A聖廟爆破以降、武装勢力の戦術が変化しているのではないか
 アルカイダ系は、聖廟爆破以降、都市拠点化政策を止めているのではないか
 ラマディで米軍を攻撃している武装勢力の内、アンサール・スンナも存在する
 ことはほぼ間違いないと推測しています。
(私はラマディでは、ヘゲモニーを握っているのではないかと推測しています)
B米軍の死傷者数は、減少していたのが、四月、五月は増加している。
C米軍と武装勢力の戦闘は、『宗派間抗争』と呼ばれるものによって、
 あたかもメインストリームではないかのような『現象』を呈してしまっている

私の推測では、おそらく武装勢力側は、主観的には、自分達の方が攻勢状態に
あると思っているのではないか。
事実、四月・五月は米兵の被害が増加に転じています。

しかし、そうはいっても、ラマディという一都市での情勢であって、
スンニ派地域全域で攻勢状態とまでは言えないとも思います。

ラマディの武装勢力が攻撃前に市民を退避させているということは、
肯定的なものと私は受け止めますが、
同時に、食糧配布とも合わせて考えると、そこまで配慮しなければ、
生き延びることができないという状況であるとも解釈は可能だとも思います。
CBSは、「武装勢力の最後の拠点」とも報道しています。
つまり、ここが最後の山場で、ここで踏ん張り、乗り越えれば、
勝利が見えてくるとも解釈は可能だとも思います。
そういうメッセージであるとも解釈は可能だとも思えます。
解釈は自由ですから、あの映像を観て、我が軍は困難な状況でもよく戦っている
これが最後の山場で、これを乗り越えれば勝利が見えてくるのだ。
と、解釈する人も多いかもしれません。
あるいは、米軍は苦戦している。もういい加減、撤退しようとも解釈できます。

ラマディ情勢 (CBS)2006.5