農場経営者、黒人牧師、高校卒業したばかりの若者、、、
自分がイラクの戦場に立つなどとは一度も考えてもみなかった州兵達。

 地球の裏側のイラクまでやって来て、自分は一体何をやっているんだと自問し
続けます。
 わざわざ地球の裏側に、イラク人を殺したいと思ってやって来た訳ではありま
せん。
 しかし銃撃に遭えば、撃ってくる方向に闇雲に銃撃していました。
その暗闇の先に、襲撃とは無関係な一般市民達がいるかもしれません。

 州兵を銃撃して、殺して、一体何になるのでしょうか?

 米軍に家族、親族、親しい友人等々を殺害されたりした者達が報復の為に、
米軍を襲撃して、一体何になるのでしょうか?

 全く意味のない殺し合いにしか思えません。

こんな戦争は間違っています。
こんな悲劇は即刻止めなければなりません。
もうたくさんだ。
私にはそうとしか思えません。

 現米政権は、<軍需産業><石油産業><金融資本>これら極少数者の利害を
貫徹する為にイラク戦争を始めたんだと思っています。
9・11を受け、米本土を脅かす恐れのあるフセイン政権をもう倒したではありま
せんか。
軍需産業ももう充分儲けたではありませんか。
イラクの石油利権が握れなくても、西アフリカ、ロシア、南米等々、
石油はもう充分確保できているではありませんか。
イラクに親米政権を打ち立てられなくても、反米政権にならなければ良しと
しなければならないのではないですか。
むしろイラク駐留を長引かせる方が、将来反米政権を作ってしまうのではない
ですか。
中東民主化構想は、その第一歩で挫折を強いられました。
それは一体何故なのかを熟考すればよいのではないですか。

これ以上イラクに米軍が駐留しても、米兵の死者数ばかりが増えていきます。
イラクの一般市民達の被害はそれ以上に増えていきます。

 米軍は撤退して、国連が中心となって、イスラム教徒=ムスリム主体のPKO
なりを派遣して、治安維持を行えばいいのではないですか。
アラブ連盟は会議すらまともに開けないので当てにできませんし、隣接する国々
は複雑な利害関係も絡んでいるので、派兵すればマイナス面もあると思われます。
PKO大国バングラディシュや、パキスタン、インドネシアのムスリム軍が治安を
担当すれば、彼らは、米軍のような手荒なことはしないと思うし、武装勢力も
同じイスラム教徒を襲撃するとも思えません。もし襲撃するなら、
それはアルカイダ系の正真正銘のテロリスト達です。
イラクの市民達は、喜んでテロリスト達の情報を提供し、テロリスト壊滅に
協力するのではないですか。

 長年の反米の雄リビア兵も良いかもしれません。
反米ということでイラク人にも受けが良いだろうし、
同じアラビア語を話すので、意思疎通もスムーズだろうし、
現在のリビアは親欧米という姿勢を取っており、
アメリカの尻拭いをすることで、リビアはアメリカに恩を売る、
独仏・米・リビア・イラク、当時者全てにとって、悪い要素は私には
思い付きません。


 現在の武装勢力は、
 実体的には、
<地元勢力><旧フセイン軍残党><イスラム原理主義><アルカイダ系>
 これらの複合したものだと思っています。
 
 その行為は、
・レジスタンス
・テロリスト
・犯罪者集団(強盗、誘拐、誘拐ビジネス)
・私怨をはらす集団
 これらの要素の混同したものだと思っています。

 ムスリム軍に対してなら、正真正銘のテロリスト以外は手出ししないのでは
ないかと私には思われます。


 アフガニスタンでは傀儡のカルザイが大統領に当選しました。
軍閥反対というスローガンは、アフガニスタンの一般市民達も望むことだし、
正しい方向性だと思います。だから、傀儡ではあっても当選したのだと思って
います。
 しかし、イラクでは事情が全く異なります。
一体イラク市民の誰がアメリカ傀儡を支持するのでしょうか?
イラク警察、新生イラク軍も高失業率の為に勤めているという側面が濃厚です。
彼らとて傀儡に投票するとも思えません。
クルド人だって、アメリカ傀儡を支持しません。
クルド人はかつて何度もアメリカに裏切られたことを決して忘れてなんかいませ
ん。クルドの自治権の維持と拡大が彼らの目標だと思っています。

 ファルージャの人口は30万人だそうです。しかし、まだ10万人の市民が残って
いる街に、雨あられと空爆、砲撃、銃撃を加えることは、狂気の沙汰としか思え
ません。10万人がテロリストとその支援者なんですか?


 米兵が何人死のうと、米兵の六人に一人がPTSDで苦しもうと、イラクの一般
市民達が何人死のうと、アメリカの<政治・経済>を牛耳っている者達には
痛くも痒くもありません。
 そういう意味では、米兵もまた被害者だと思っています。

 最大の悪は、現米政権の政治方針であり、それを変更させることは不可能
だとは私には思えません。


 、、、しかし、現実には難しいのでしょうね、、、


 多くの発展途上国は、その経済を先進国に握られていますからね、、
グローバリズムとは、先進国による発展途上国支配の別名です。
かつてのような露骨な植民地主義ではなく、実にスマートに支配しています。

私は、その先進国に存在し、その収奪のおこぼれに与っています。
それもまた事実です。
物が溢れかえっている一見豊かな社会に暮らしています。
餓死する心配などしたことはありません。
明日殺されるかもしれないなどと思ったこともありません。


『世界には妖怪が徘徊している。自由主義貿易という名の妖怪が』
 現代世界とはそういう世界なんですね。


「他民族を抑圧する民族は自由な民族ではない」とはエンゲルスの言葉です。
チェチェン民族を抑圧するロシア
チベット民族を抑圧する中国
パレスチナ人を抑圧するイスラエル
イラク人を抑圧するアメリカ

国連の発表では現在の地球は120億人の食糧を満たすことができるそうです。
しかし、一方では、過剰生産で食物が廃棄され、他方では、餓死者が後を絶た
ないという現実。

 現代世界は狂っています。これは明々白々にしか思えません。
何が狂っており、何を変えていかねばならないのか。
それを考え続けている日々です。


  禍害なるかなパリサイ人たちよ
  汝らは白く塗りたる墓に似たり
  外は美しく見ゆれども
  内は死人の骨とさまざまの穢れとにて満てり

州兵の姿を見て考えたこと