NHK日曜討論「大野防衛庁長官に問うイラク派遣・米軍再編」で、
 大野防衛庁長官が、
「ロケット弾は夜中に飛んで来る。皆大体宿営地内宿舎に入っている。
 宿舎というのはロケット弾・迫撃砲が飛んで来て、宿舎に当たっても大丈夫な
 構造になっている。あんまり言いますと、敵に手の内を見せるようなことに
 なるのでこれ以上のことは言えませんけれども、安全確保は充分やっている」
 と、述べていました。

 私は、自衛隊撤退論者ですが、
私自身は、個人的な勝手な思い込みで、
宿舎に迫撃砲等が当たったら、即死傷者が出るというイメージを持っていました。
しかし、このイメージは間違っていたと自覚させられました。

 ただ、どの程度の防護策が取られているのかが分かりませんので、
どのくらい安全と言えるのかの根拠は分かりません。

 もちろん、具体的な防護策については、相手もいることだから、言えない
ということも理解できます。

 だから、もっと防護策について具体的に述べよというつもりもありません。

 防護ネットとか、強化特殊鋼の屋根・壁とか、土塁とか、ですかね、、、
軍事的なことに、全くのド素人ですから、また間違った勝手なイメージを作って
しまうのですが、、、

 私自身は、撤退賛成派ではありますが、自衛隊員に死傷者が出ることは、
もちろん望んでいません。
 同じ日本人として、同じ人間として望んでいません。
ですから、少し安心もしました。
完全な安心ではありませんし、撤退論者であることにも少しも変わりは
ありませんが。


@鉄製コンテナを上下二段重ねにし、その一階に寝る。
A天井や側面に土のうを積む。
B軽装甲機動車や装輪装甲車を止めて弾よけにしている。

 ということのようですね。

 鉄製コンテナだけでは、確かに貫通してしまったようですが、更に土のうを
積み、その上更に装甲車両を弾よけに止めているのであれば、これまでの
迫撃砲一、二発だけの攻撃に対してなら、ほぼ充分安全なような気もします。

 ただ、宿舎の数と装甲車両の数を考えると、車両の数は足りているのでしょう
か?
 発射される方向は、ほぼ分かっているようですから、その方向に対しては
車両の数は足りているということなのかもしれません。

 私は、以下の共同通信社の報道内容を読んで、むしろ、結構防護策は採られて
いるんだなということを知り、むしろ、少し安心しました。

 ですから、以下の共同通信社の報道する『防弾性ゼロ』という報道内容に
ついては、おかしいのではないかと思います。
上記のような防護策を採っているのであれば、万全かどうかはともかく、少なく
とも『防弾性ゼロ』という報道内容はおかしいように思われます。


 、、、と思って、よく読み返してみると、現在の宿舎なのではなく、以前の
ベニヤ製の仮の宿舎は、「防弾性ゼロ」だったということのようですね。
 紛らわしいですね。
私の読解力が貧弱なのでしょうが、『防弾性ゼロ』というショッキングな内容を
タイトルにしているのは、どうなんでしょうね、、、
かつての仮の宿舎は危険だったが、現在はかなり改善されて、安全性は増して
いるという報道タイトルなら理解できるのですが、、、
報道タイトルの付け方に問題があるように感じます。


 共同通信社 12月2日
「ロケット弾貫通の衝撃 仮の宿舎は防弾性ゼロ」
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/iraq4/news/1203-2473.html

『▽コンテナ被弾
 ロケット弾が地面に衝突した後、コンテナを貫通したと思われる
 十一月一日深夜、防衛庁の記者会見場にどよめきが広がった。宿営地を狙った
 砲撃は八回目だが、施設に被害が出たのは初めて。貫通したのは清涼飲料水
 などを保管する鉄製コンテナで、縦、奥行きは二メートル余、横六メートル。
 隊員の宿舎にしているものと同じだった。
 陸上幕僚監部の二佐は「荷物コンテナは野ざらし。詳細は言えないが、宿舎と
 は安全の度合いが違う」と話す。実際は鉄製コンテナを上下二段重ねにし、
 隊員は一階に寝る。天井や側面に土のうを積み、周りに軽装甲機動車や装輪
 装甲車を止めて弾よけにしている。
 しかし隊員は仕事で荷物コンテナにも出入りする。日中に砲撃を受けたら…。
 「コンテナ」は隊員の安全を語るためのキーワードだ。
 コンテナハウスは三月上旬にやっと届いたが、そもそもベニヤ製で防弾性は
 ゼロ。砲弾は簡単に貫通する。案の定、四月七日、宿営地近くに最初の砲弾が
 落下した。
 「準備が整っていなかった。宿営地内に着弾しなかったのは偶然、幸運にすぎ
 ない」と防衛庁の幹部も認めた』


 オランダ軍撤退に伴い、従来はオランダ軍から情報提供されていた
対迫撃砲情報を自前で行う為に、新たに配備されるとされる
対迫レーダー装置 JMPQ-P13
http://www.yuri.sakura.ne.jp/~right/equipment/jgsdf/fieldartillery/jmpq-p13/jmpq-p13.html

『敵が発射した迫撃砲弾や野砲弾の飛翔中の空間位置から逆算し、発射位置、
 つまり敵の迫撃砲陣地を発見するための装置である。
 遠距離、至短時間における高精度の敵迫撃砲の位置評定ができ、多目標の
 同時評定も可能で、ECCM性、全天候性、機動性を有する』

 自衛隊宿舎の防護と並んで、自衛隊員の方達の安全向上に役立つもので
あれば、それは、とっても良いことだと思います。
 私は撤退論者ですが、自衛隊員の方達から死傷者が出ることは、
もちろん望んでいないからです。

 ただ、ケチ付けするつもりは、全くないのですが、軍事的知識がないので、
分からないというだけなのですが、迫撃砲弾が発射されて、着弾するまでに、
数秒程度だとド素人考えでは、そう思われるのですが、それだと、逃げるとか
効果はあるんでしょうか?
 ド素人考えでは、発射が確認されれば、すぐに警報が鳴り響き、少しでも
安全な状態に入ることができるということでしょうか?

 発射地点まですぐに分かるんだぞというプレッシャーをかけるとか。
発射地点がすぐに分かるということで抑止力があるとか?

 あるいは、『ハイテク日本』が凄い装置を持ち込んだので、よく分からない
けど、撃つのは危険かもという抑止力?があるとか。

軍事的知識が豊富な方には噴飯ものの意見ならぬ間違った推測なのでしょうか、
本当に分からないです。

 いや、とにかく、少しでも、安全向上に役立つものなら、それでいいんです
けどね。


 「反撃」については、私にはわかりませんが、「正当防衛」の権利は当然ある
と思います。
 だから、迫撃砲の二発目、三発目を狙っているなら、それを阻止する行動を
取ることはできるのではないでしょうか。
 砲撃しようとする相手なら発砲してもよいのではないかと思います。
しかし、砲撃後逃走しようとしているなら、逮捕・拘束が目的となって、
威嚇射撃等は許されるのではないでしょうか。

 ただ、現実には、これまでは、迫撃砲を一、二発発射して、あとは、
スタコラサッサと逃走するというパターンでしたので、実際に射撃するという
事態にはならないような気がします。
発射後に、車両・攻撃ヘリで現場に向かっても、既に逃走した後でしょうからね。

 無人偵察機を常時飛行させ、一定の攻撃能力を与え、発射地点が特定されれば、
即座にそこに向かい、反撃するということはできるのかもしれません。
ただ、夜間だと、暗視能力はあるのでしょうか?
<夜間>に、<攻撃者を特定>し、<攻撃>する、
無人機にこれらの能力があるのでしょうか?

サマーワでの自衛隊宿舎の防護策