@一年前と比べて暮らしは
・良くなった:57%
・変化なし :23%
・悪くなった:19%
・店頭に並ぶ商品の種類は増え、値段も下がっている
・特に値下がりが激しいのはフセイン時代に高い関税がかけられていた電化
製品などの輸入品
・正式な政府が存在しないため現在は関税が全くありません
・タンス預金や海外銀行口座に貯金していたために、購買意欲が戻っている
・冷蔵庫を持っている :81%
・エアコンを持っている:44%
・自動車を持っている :43%
・イラクへの製品輸入の拠点はドバイ
・戦前に比べイラク人が求める服のデザインは一変しました
西欧のデザインを取り入れた華やかなファッションが大人気
フセイン時代に禁止されていた衛星テレビなどのメディアで海外の情報を
直接得るようになり、その影響が流行に及んでいる
・ドバイ港ではイラク向けの輸出が増えたことから、この一年でコンテナの
取扱量が25%伸びました
・海運業にもイラク人が進出
・ドバイの700軒の店が集まる中古車ディーラー街もイラク向け輸出の好景
気。新車は盗難の恐れがあるので1万ドル以下の中古車が人気
売れ筋はドイツ車と日本車
・UAEの国家戦略:イラク人商人に便宜:イラク人には無条件に会社設立を
許可:イラクの復興を助け、自らの発展の切り札に
半年で200人のイラク人が起業
A一年後の暮らしは
・良くなる :71%
・変化なし: 9%
・悪くなる : 7%
B今、最も深刻な問題は
・治安 :22%
・失業 :12%
・物価上昇: 9%
・住宅 : 4%
・電力不足: 4%
C治安回復には何が必要か
・雇用創出 :96%
・イラク人警察:93%
・イラク人への
権限委譲 :87%
・失業率は60%
・去年9月バグダッドに失業者センター設置:4万人近くの内、職が見つかっ
たのは千人足らず
・イラク人警察は7万人体制を予定:現状ではまだ半数近くが不足
・警察官養成はヨルダンでCPAが選んだ2000人が研修中
・教官は米英加など16カ国
・民主主義と人権の授業がカリキュラムの四分の一を占める
犯罪者や容疑者の人権も配慮する
(イラク人は全員が男性で、女性教官に教えられるのにカルチャーショック
を受けているようだ)
「揺らぐ有志連合」
・有志連合37カ国
・韓国:配置先を不安定なキルクークから変更を要求
・オランダ:一兵士の発砲事件をきっかけに、即時撤退すべき56.3%に
オランダ首相が7月以降の派兵計画を米大統領に返答せず
・ポーランド:米英に次ぐ2400人派遣:見直しを、恩恵を受けていない
総額6兆円の復興事業の内、受注は15億円に不満
トルコは5000億円も受け取っているではないか
派兵期間を来年半ばから、取り合えず今年一杯に変更
Dイラク攻撃
・正しい:48%
・間違い:39%
・解放:42%
・屈辱:41%
E米軍などの駐留
・反対:51%
・賛成:39%
・強く反対 :31%
・どちからといえば反対:20%
・どちらかといえば賛成:26%
・強く賛成 :13%
Fイラク攻撃 正しい 間違い
・クルド人: 87% 9%
・スンニ派: 43% 46%
・シーア派: 51% 35%
Gイラク攻撃 解放 屈辱
・クルド人: 82% 11%
・スンニ派: 40% 49%
・シーア派: 43% 37%
「一年前の調査と比べると、スンニ派の評価はほとんど変わっていないが、
シーア派の肯定的評価が下がってきている」
「アメリカはシーア派は親米的との先入観があり、経済復興も後回しにしても
大丈夫と考えた。シーア派にも徐々に反米意識が高まってきた」(酒井氏)
・3月8日イラク基本法署名式
中央集権制ではなく連邦制を
H国家体制 連邦制 中央集権制
・クルド人: 58% 26%
・スンニ派: 22% 67%
・シーア派: 4% 92%
「我々シーア派は国連が基本法を支持しないと表明しない限り、国連の調査団
に一切協力しない」(シスターニ師)
「国連に対してイラク人は必ずしも高い信頼を置いている訳ではない」
「国連がある種のクッションの役割を果たすことができるのではないか」
「イラク人にとって国連に不信感を抱く原因は、経済制裁、査察活動、
アメリカの手先にすぎないという強烈な認識がある」(酒井女史)
「ただ単に、『国連だから正当性がある』ではなく、同じことを繰り返しに
やって来たのではないという、国連の正当性を示す必要性がある。
再確認する手順が必要」
「国民には、『アメリカの選んだ人達が、ただスケジュールを進めたいだけ』
と見えてしまう」(酒井女史)
<形式的主権・政治面での主権移譲>よりも、より重要なのは、
<実務面での権限移譲>:イラク人実務官僚・行政機関がどれだけやれるか
予算配分・プロジェクト発注・経済開発策定等
<私の感想>
新聞やニュースによると、イラクでは、テロ・戦闘行為、連日の死者という
強烈なイメージしか持っていなかったのですが、イラク庶民の日常生活のレベル
では結構活発な経済活動とか行っていたんですね。
家電、車、流行のファッションを追うとか、、、
考えてみれば庶民の日常生活とはそういうもんですね。
ブッシュ大統領の方針転換で、イラクに国連が戻り、良い方向に向かうのだろ
うと思ったんですが、それはちょっと楽観的過ぎました。
現実はもっともっと複雑で、楽観はできないということが少しだけ分かりました。
「イラク市民2700人の声〜復興1年 危機は乗りこえられるのか〜」:NHK:世界潮流2004