イラクに派遣される北海道の師団ではなく、福島駐屯地のレポートでした。

 二人の隊員は、
「自分の国を守るなら、命がけで守るが、、」
「究極的には家族を守るためなら、血も流すが、、、」
「イラクでは、、、モチベーションが、、、外国ですから、、、」

 現地での建物突入・占拠方法とかの米軍のビデオで学習していました。
「マニュアルのない世界に足を踏み入れている」
「どうしたら生き残れるのか一人一人がよく考えてくれ」

 至近距離の射撃訓練を行っていました。
「イラクで警備にあたる隊員に必要な技術」

武器使用を巡る法律を隊員一人一人が理解すること。
「イラクで武器を使用する場合、日本の法律による制約がある」
「イラク支援法の講義」
「関心は、武器使用の規定に集まっていました」
「一人が火炎瓶を投げる。これは生命に危険はない。しかし、燃料補充中に投げ
 つけられたら、状況によっては車両が燃える。そうした場合は、撃てる可能性
 がある。まさに相当な理由がある。威嚇で足元を狙うなんて悠長なことは言っ
 てられません。その手を撃たないといけない場面だってある」

「群集に紛れて、武器を使用された場合はどうしたらよいのか」
「自爆テロに対してどう対応するか」
「発砲された。誰が発砲したのか分からない。その方向にやむを得ず撃った。
 しかし、武器は残ってない。別の人を撃ったのかも知れない。」
「それは過剰防衛。誤想防衛。照準射撃をしなさい。特定しなければならない」
相手を直接狙った射撃が認められるのは、正当防衛などの場合に限られます。
違法な射撃でなかったと証明する必要もあります。(NHK)
「それを裁くのはどこの法律なんですか」
「日本の裁判所で裁きます。自衛隊ではありません。刑事訴訟法上の白黒を
 明確に最後までつけなければなりません」
結果的に相手を傷つけた場合は刑事責任を問われる可能性があります。
(NHK)

 どのような時に武器を使用できるのか。
「隊員一人一人が難しい判断を求められる時代を迎えた」(師団長)
「一番悩んでいる問題は何かな。武器使用は理解したかな」
「まだ理解できていません」
「撃たれてから、やっと撃てる。どこで自分達が危険だと感じて、撃っていいの
 か判断できない」
「声も届く程度の距離での敵なので(撃つのは)戸惑いはあります」

「あの練度ができている米軍ですら一杯死んでいる。うち等はまだまだの
 メンバーで、、、錬度が低いので不安です」

「平和憲法と言われるくらいだから銃で死ぬことはないだろうと考えて入った」

吉田教官の取材
「行かないで欲しいというのが本音」(妻)
「この弾が当たったら大変だと分かっている」
「あとは命令・指揮についていくしかない」

 滋賀:饗場野演習場での日米共同訓練:イラク戦争からの帰還兵
 関西の普通科部隊。
米兵の戦場さながらの救護訓練。
自衛隊でも負傷者救護が大きな課題。
「負傷者が出るのは当たり前だ、しかし、負傷者の救護とか、そこらへんが
 無頓着」(中隊長)

 福島駐屯地
「絶対行きたくないなと思っていたが、今は、行くと言えると思う」
「戦争に行くのではない」
「人を撃ちたくない。自分や仲間の命が掛かってくると、撃たなくちゃならない
 んだな。撃ちたくなくても撃たなくちゃならない時代なのかな」
「防げるのなら事前に防ぐ。防げないのなら、銃は構えます。銃は構えますが、
 引き金引く時に、もう一回何かを考えると思います。考えて、その瞬間、仲間
 がやられるのなら、自分がやられるのなら、任務完遂、と考えれば、自ずと
 答えは出ると思う」
「撃てという命令を発するようになると思うんですが、相手にも家族がいるわけ
 で。無事日本に帰って来ても、一生殺したという十字架を背負って生きていか
 せなければならない。殺させるということもさせないよう、銃を使うという
 行為そのもの自体を、隊員にもさせたくないし、自分もしたくない。それが
 正直な気持ちです」

「陸上自衛隊イラク派遣」〜ある部隊の4か月〜:NHKスペシャル