アフリカ最大の面積を持つ国スーダン。
人口は3200万人。アラブ連盟に加盟。
200万人の死者を出した20年来の南北内戦の終結。
石油資源の富を半々に分配することで南北で合意。
それに対する貧しい西部ダルフールの反発。

二年前、反政府勢力が武装蜂起。
政府系アラブ系民兵組織ジャンジャウィードによる襲撃。
死者七万人以上。国内避難民は150万人以上。

 アフリカ系の一万人が住むラバド村のタジュディン・スリマン村長によると、
昼前に政府軍と思われるヘリが飛来し、機銃掃射を開始、直後に数千人の
ジャンジャウィードが襲撃。
110人が殺害され、多数の負傷者。
井戸は埋められ、家畜は殺された。

反政府勢力スーダン解放軍SLAのアハメド・セゲル司令官
武器は中古の小銃がほとんど。
ヘリで攻撃する政府軍に対しては、木に登って身を隠すしかありません。

米はスーダン南部に20億ドルの支援。
米のキリスト教原理主義組織サマリタンパースが、90年代から南部一体に
キリスト教会、学校を建設。英語教育を支援。
南部油田地帯で深い関係を構築。

 この十年、中国はスーダン政府と一体となって油田開発。
合弁事業ハルツーム製油所。輸出の60%は中国。
ダルフール問題での経済制裁に中国は反対を表明。
ジェノサイド条約。

 AUアフリカ連合が平和維持部隊3000人を派遣。
(エジプト、ガボン、ガンビア、セネガル等九か国)
任務は停戦協定違反の監視と住民の安全確保。
毎日ダルフール各地に調査隊を派遣。
襲撃直後の様子を写真に記録。
AUの調査によると800を超える村が焼かれている。
女性、老人、子供を含む無差別虐殺の写真。
あらゆる家財道具を略奪するジャンジャウィードの写真。

ルワンダのジーン・カズラAU副司令官が、アフリカ系の一万人の村
コルアベシェとアラブ系のネテガ村の隣接する地帯に直接乗り込み、交渉する。
コルアベシェ村ではSLAが守りを固めている。
AU部隊を常駐させることを提案。
SLA側は、AUが常駐すれば村から撤退することを承諾。
南ダルフール州アッタ・アルマナン知事は中央政府大臣経験者。
ジャンジャウィードのティジャニ・ガドルは、
「SLAの攻撃に対する正当防衛」
ネテガ村での交渉
「コルアベシェに奪われた家畜を取り戻そうとしただけ」
「我々こそが被害者」
AU部隊の常駐を拒否。

 タハ第一副大統領は、
「ダルフール紛争は部族間の争い」
「旱魃による水資源の枯渇」

 州知事は、
「政府軍をネテガの中に置く」
「48時間以内に答えを出して下さい」
三日後、朝六時、数千人のジャンジャウィードがコルアベシェ村を襲撃。
数十人が殺害。井戸を埋められ、家畜を殺害。

 AUは報告書で、
「スーダン政府は停戦協定に違反している」と明確に指摘。
 スーダン政府軍の虐殺への関与を指摘し、
「スーダン政府はジャンジャウィードとの共謀をやめるべきだ」と勧告。



 <私の感想>
石油資源確報という国家の死活的使命を帯びる中国。
その為になりふりかまわず狂奔している中国。
安保理での拒否権を持つ中国と結託している限り、
国連の制裁に脅える必要のないスーダン政府。
この両者の思惑の一致、結託という背景がある。

「ジェノサイドを止めるのは誰か」スーダン・ダルフール紛争
(「21世紀の潮流:アフリカゼロ年」)NHK第一回(2005.7.9)