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 選挙の争点は、『軍閥の解体』
カルザイ大統領とカヌニ前教育相の事実上の一騎打ちとなりました。

中央政府の権限を強化したいカルザイ大統領、
国の英雄イスラム戦士=ムジャヒディンの役割を訴えるのがカヌニ氏。
軍閥の利害を守るという後ろ盾があります。

 軍閥の兵力は全土で約5万人と推定されています。
国軍は1万2千人。

 軍閥は、支配地域を通過する車の荷物の量に応じて『通行税』を徴収。
兵士の手当てや武器の購入に当てています。
こうした『通行税』は、全国で年間700億円以上になると言われています。
これが地方軍閥の存在を支えています。

 選挙運動中も全国各地で武装解除を進めました。
武器を放棄した軍閥兵士には職業訓練を行います。
軍閥に頼らず生活できるようにこするためです。
これまでに軍閥兵士の4人に1人とみられる、1万6千人余りが武装解除に
応じました。職業訓練中は、約700円の日当が出ます。

 前アフガニスタン大使駒野欽一氏は、
「軍閥は、通行税に加えて、他民族の不動産を没収、麻薬にも関与、
 これらの資金を基に民兵を保有。
 軍閥の指導者は大物であるほど、武装解除に原則賛成。
 地域の治安はどうするんだと反論。
 対立する軍閥にはどうするんだと反論。
 職業訓練、治安は警察・国軍に、と説得。
 彼らの最大の関心は生き延びること。
 もう武器の時代ではない、これからは法が支配する時代だとよく分かっている。
 ただし、民兵を失うことに懸念、いずれやらなければいけないとは思うが、
 率先してやりたくはない、できればやりたくないというのが本音。」

「全国8箇所で開票。18人の大統領候補の各代理人が見ている前で、一票一票
 票を見せながら、確認しながら行う。そのことによって23年間色んなグループ
 の間で生じた憎悪、対立の気持ちを和らげていく、国民和解、これが一番重要。
 を、培っていく、このプロセスこそ、アフガニスタンの将来の永続的な平和と
 安定の為に極めて重要。そういう意味では開票の2、3週間は決して長くない。
 来年春には、地方選挙がある。軍閥間の利害が直接対立する場」


 有権者登録をした一千万人の内、四百万人が女性。
90%以上の女性が読み書きができない。

 国連、外国選挙監視団は、有権者数百万人がテロの脅威にも屈せず、
投票所まで足を運び、投票を行ったその重みを重視。
 100%公正な選挙だったとも言い切れない。

「武器は捨てられるか:アフガニスタン大統領選挙」:NHKクローズアップ現代