http://www.thedohadebates.com/output/page1.asp

(Qussama Safa:Lebanese Center for Policy Studies)
「レバノンの市民は戦争はもうたくさんだと思っているんです。
正当な体制以外の部隊は正当な戦う権限を持たず、混乱をきたすだけ。
私達には二つの選択肢があります。
レバノンはこれからも抵抗の要塞となり、
貧しい人々が隔絶された状態であるのか、
それともレバノンが民主的で多民族を受け入れる国になるべきであるのか」

<ヒズボラにはレバノンに取って代わって戦う権限はないということですか>

「彼らは多くの兵器を蓄積してきました。
武器庫を作ってきました。
それは何の為ですか。
レバノンの国家は非常に弱体化しているのです。
何もできなかったのです。
この問題を対話で解決しようとしてきました。
しかしできていないのです。
誰にも相談せずにこのような状況が生まれてしまったのです」

<イスラエル側は認めない、イスラエル側も武器を蓄積してきました>

「このような武器はレバノンの防御の為に使われる訳ではありませんでした」

<ヒズボラに反対する人々が今まで抗議活動をしてきました>

「でもそれは反ヒズボラという訳ではありません。
彼らはヒズボラが政治的な勢力として認めます。
彼らは軍事部門を持っています。
政治的な対話ができるのならいいのですが、
実際に交渉が行われてきた所もあります。
しかし多くの信頼関係が壊れてしまったんです」

(Mona Makram-Ebeid:Former Egyptian MP)
「国際法に基づいて国土を領土化することが合法であるかどうか、
イスラエルが国連決議に基づく人道的人権を破ってきました。
ヒズボラというのは非暴力の運動であって、
彼らは政治的な運動も行っている組織なんです。
ヒズボラには草の根の組織があり、
他の組織が全く対応できないことまで社会的な活動をしています。
昨年も受刑者の解放に大きく尽力しました。
イスラエル刑務所のレバノン人受刑者の解放を訴えてきました。
レバノン政府もこれを支援すると表明してきました。
しかもレバノンだけの問題ではなく、地域的な問題なのです。
中東には数百万人のヒズボラ支持者がいます。
8月23日のワシントン・ポストによると
75%がヒズボラを支持していると載っています。
この問題ですが、これはイスラエルを引き出すことに成功しました。
アラブの部隊の中で初めて、イスラエルが引き続き
組織的に民間人を襲おうとしていることの証拠なんです」

<ナスララ師は、もしイスラエルの兵士を誘拐する作戦が、
こんなことになると分かっていたら、こんなことにならなかった。
これは誤った作戦計画、誤った判断だったのではありませんか>

「いえ、そんなことはありません。It's local attack.
彼はレバノンの受刑者を解放する為に戦っていたんです」

<しかし戦争のエスカレーションです>

「それはヒズボラが行ったのではなく、イスラエル側が仕掛けたことでした」

(Hisham Kassem:Al Masry AL-Youm newspaper)
「ヒズボラはレバノン南部で解放者であるという良いイメージがありました。
しかし今は議論が起きています。
つまりヒズボラに対する支援は少しずつ減ってきています。
レバノンに甚大な被害があるのだから、
実際に行動を起こすべきではなかったと語りましたが、
それはもう遅いんです。
ナスララ師は交代すべきでした。
ヒズボラは二人の兵士を拉致しただけでなく、
レバノンの主権も人質に取ってしまったのです。
イスラエルと戦って勝つことはできません。
このような形で対立してはいけません。
国民が苦しんでいる訳です」

<主権国家は侵攻された場合、抵抗してはいけないのでしょうか>

「アラブの多くの領土はサダト大統領の交渉によって解放されました。
占領されたアラブの領土八割以上を解放したのです」

<イスラエルに対峙できたのは、アラブの指導者の中で
ナスララ師だけだという意見もあります。
ヒズボラに戦うライセンスを与えることにはならないのでしょうか>

「政治的な力量を見せなければなりません。
難しい決断も必要な時があるのです」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「ヒズボラには戦う権利があります。
レバノンの代わりに戦っています。
人間の基本的な権利があります。
自由、独立、尊厳の為に戦う理由があります。
正当性、権限が問題となっていますが、
シニオラ政権は2005年6月に閣議声明を出しました。
『抵抗は継続する権利がある』と言いました。
イスラエルの侵略、シャバ農場の解放、捕虜の解放を
求める為の抵抗の権利があると言いました。
もしヒズボラが国を守る権利がないと言うのなら、
一体誰がその権利を持つと言うのでしょうか。
レバノンには強い軍はありません。
人々はその他の手段を講じて自分達を
守らなければならなかったのです」

<イランの代わりに戦争しているのではないのですか。
イランはヒズボラに武器を提供している。
そしてレバノンが報復を受けてしまった。
ロケット弾をチャリティで貰っているんでしょうか>

「イランの民兵組織ではありません」

<しかしイランの意図とうまく合致しているのではありませんか>

「レバノンの主権を回復する為のロケット弾です」

<シーア派の学者はこう語っています。
シーア派はイランから命令を受けて他の信者を沈黙させている。
誰にも相談せず、国に惨事を招いている>

(Qussama Safa:Lebanese Center for Policy Studies)
「一体どの侵略された土地を解放したと言うんでしょうか。
2000年にイスラエルが撤退したのです」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「シェバ農場はレバノンのものとは言えませんか」

(Qussama Safa:Lebanese Center for Policy Studies)
「シェバ農場は外交で解決すべき問題です。
外交的に攻勢を行って、シェバ農場を取り返すべきです。
それが失敗すれば軍事的な手段もあり得るでしょう」



(会場の男性A)
「この紛争は、シリア軍がレバノンに駐留していたら起こっていたでしょうか」

(Mona Makram-Ebeid:Former Egyptian MP)
「2004年捕虜の交換がありました。
シリアもいました。
ドイツが仲介し、イスラエルとヒズボラが交渉を行いました」

(会場の女性B)
「ヒズボラという民間の組織が国を守ることができるのでしょうか。
そうなってしまえば政府が民兵組織の武器を管理できなくなってしまいます。
このままでは世界の破壊につながってしまいます」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「ヒズボラは民間の組織ではありません。
草の根です。レバノン南部に住んでいる村人がいます。
農民や教師や商店主がイスラエルと戦っている訳です。
土地の尊厳の為に戦っています。
国の主権を守ろうとしています。
彼らは傭兵ではありません。
アルカイダとは違うのです。
レバノン軍はそこにいなかったのです。
レバノンのシステムの欠陥の為です。
レバノンの軍がしっかりしていたとしても、
イスラエル軍と戦うことはできません。
ゲリラ戦しか方法がない訳です。
そういったことを考えなければなりません」

(Mona Makram-Ebeid:Former Egyptian MP)
「イスラエルの攻撃によってレバノン政府の能力が削がれています。
そこで他の人々が役割を果たさなければなりません。
野党として、抵抗組織として」

(Hisham Kassem:Al Masry AL-Youm newspaper)
「イスラエルの攻撃によってレバノン政府が弱体化している
とのことですが、レバノン政府自体が弱体なのです」

(会場の女性B)
「国の為に戦っているのかもしれませんが、
ただ実際に誰が彼らのルールを管理するのかということです」

(会場の男性C)
「レバノンにはキリスト教徒とイスラム教徒がたくさんいます。
ヒズボラは全てのレバノン人を代表することができるんでしょうか」

(Mona Makram-Ebeid:Former Egyptian MP)
「ヒズボラは元々は戦争に突入する意図は持っていませんでした。
彼らは受刑者を解放したかったんです」

<たくさんのミサイルを持っていました。
紛争をエスカレートするつもりはないと本気で仰っているですか>

(Mona Makram-Ebeid:Former Egyptian MP)
「これは通常のイスラエルのやり方ではありません。
以前は交渉してから、受刑者の交換をしていました」

(会場の男性C)
「ヒズボラの行ったことは、予めそれがどういう意味をもたらすのか
考えていなかったということですか」

(会場の男性D)
「ヒズボラの民兵はレバノン軍に入ればいいじゃないですか」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「我々は民兵ではなく、抵抗の運動の為の兵員です。
レバノンの部隊の一部でなくても」

(会場の男性D)
「ヒズボラはレバノンの部隊に入るチャンスを与えられたんです。
しかしそうしません。
何故いつも他の人々を非難しているのか。
何故レバノンの名前で活動したいのか不思議です」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「レバノン軍の中に入る必要はありません。
我々は実際にレバノン軍と一緒に仕事をしているんです。
戦略の為には一緒に力を合わせています」

(会場の男性E)
「イランは本当に背景にいるんでしょうか」

(Mona Makram-Ebeid:Former Egyptian MP)
「イスラエルはアメリカから後ろから押された(会場から大きな拍手)」

(会場の男性E)
「逆だと思います。イランはメッセージを送ろうとしたんだと思います。
ヨルダン、エジプト、シリアはイスラエルと戦うつもりはない。
ですからイランは自分達の自立的な行動をとろうとしているんです」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「ヒズボラは実際にイランから支援を受けています。
カタールも金銭的な支援をしています。
我々はイランの為に戦う訳ではありません」

(会場の男性F)
「イスラエルにいるレバノンの受刑者の為に、
レバノンに経済的、社会的、軍事的、人道的に多くのダメージを与えられました」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「我々は記者会見を開き、地域を不安定をもたらすつもりはない、
紛争のエスカレートを求めていないと語りました。
何故今回はうまくいかなかったのか。
それはイスラエル、アメリカのプランがそこにあったからです」

(Qussama Safa:Lebanese Center for Policy Studies)
「イスラエルはこの問題を外交的に解決しようとしてきませんでした」
「ヒズボラは政治的な組織です。多くの選挙民、選挙区をおさえています。
レバノンの一部ではあります。
ただ、彼らが持っている軍事部門の権限というのは、
同じような権限を与えられてはいません」

(会場の女性G)
「レバノン南部で多くの村が破壊されています。
破壊したのはヒズボラではなく、イスラエルです(会場から大きな拍手)
レバノンの人々は夢を見る権利があります。
イスラエルから兵士を取り戻すことを求めています。
ヒズボラはその為に戦ってきたのではないのですか(会場から大きな拍手)」

(Qussama Safa:Lebanese Center for Policy Studies)
「レバノンの人々には、一体いつ戦争をするのか、
戦争以外のオプションがあるのか、知る権利があるのです。
国の機関が、一体いつ捕虜を取り戻すのか決めることができるのです。
人口の三分の一かもしれませんが、
今回の行為によって破壊をもたらしてしまいました」

(Mona Makram-Ebeid:Former Egyptian MP)
「もしレバノン軍やレバノン政府が以前何かをしていれば、
アラブ政府が何かをしていれば、ヒズボラを非難することができます。
しかしながらこれまで誰も何もしていなかったのです。
イスラエルの侵攻に立ち上がったのは唯一ヒズボラだけです」

(Qussama Safa:Lebanese Center for Policy Studies)
「2000年は確かにそうでした。
しかし六年後に再びそんなことをする必要はありません。
これがレバノンの運命なのでしょうか」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「レバノンの閣議はヒズボラを認めているのです」

(Qussama Safa:Lebanese Center for Policy Studies)
「攻撃のフリーカードを与えている訳ではありません。
秘密にこういった越境行為を計画したのはヒズボラです」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「つまりナスララ師は、捕虜交換の為にこういった作戦をすると
ハリリ氏に事前に通告するということでしょうか。
そんな必要はない筈です」

(会場の女性H)
「ヒズボラはレバノンを代表して戦争する権利はないということですが、
他に誰に権利があるのでしょうか」

(Hisham Kassem:Al Masry AL-Youm newspaper)
「戦争の正当性は政治的目的がある時だけです。
外交がうまくいかない時に軍事行動をとる訳です。
負ける為に戦争するのは意味がありません。
誰もイスラエルがレバノンを破壊する権利を認めている訳ではありません。
問題は、勝つ為に戦争するのであり、
国を破壊する為に戦争するのではありません」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「ヒズボラには戦闘の権利がないということは、
正当性がないということとイコールです」

(Hisham Kassem:Al Masry AL-Youm newspaper)
「国家の理念に反しています。
一方的にレバノンを戦争に陥れたヒズボラです。
閣議の内容が漏洩してしまうから戦争に訴えたというのは間違っています」

(会場の女性I)
「アメリカがイスラエルに武器を与え、何も批判がないなら、
イランもシリアも抵抗の為にヒズボラに武器を与えることができる筈です。
(会場から拍手)」

(Hisham Kassem:Al Masry AL-Youm newspaper)
「もちろん武器を供与できます。
そういった意味での正当性を誰も疑っていません。
レバノンを守る為に、結局レバノンを破壊してしまったのです。
あくまで防衛の為に使うべきです」

(会場の女性J)
「ヒズボラはこれまでやってきたことをやっただけです。
レバノンの捕虜を解放する為にイスラエル兵を拉致しました。
空港、村を破壊し、罪もない市民を殺害しました。
これが報復の、抵抗の理由になりませんか。
これが理由として不十分と言うのであれば、
一体どんな理由が戦争できる理由となるのでしょうか」(会場から大きな拍手)

(Hisham Kassem:Al Masry AL-Youm newspaper)
「誰もイスラエルの行動を擁護している訳ではありません」

(Qussama Safa:Lebanese Center for Policy Studies)
「私が『イスラエルと戦う権利がない』と言ったのは、
レバノンを戦争に巻き込む権利はないということです。
これまで対話が続いていました。
レバノンの防衛戦略を作ろうとしていました。
ところがまた再びカードを切ることになってしまいました。
1500人もが亡くなったのです」

(Ibrahim El Moussaoul:Al Manar TV)
「誰もがこれはレバノンの為の犠牲だと言っている筈です(会場から大きな拍手)



<ヒズボラはレバノンを代表して戦う権利はない>
・FOR  :37.4%
・AGAINSY:62.6%

「ヒズボラはレバノンを代表して戦う権利はない」:THE DOHA DEBATES(BBC)(2006.9.13)