Mid-East Peace Plan
http://news.bbc.co.uk/nolavconsole/ifs_news/hi/newsid_5250000/newsid_5250300/nb_rm_5250306.stm

<レバノンの国会議長が国連決議を拒否すると言っていますが>

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「私は草案には非常に不満を持っています。
というのもこの中には私達が重要とみているもの、
つまりイスラエル軍の撤退というものが盛り込まれていないからです。
レバノン領土からのイスラエル軍の撤退です。
現在イスラエル軍が占領している地域と
シェバ農場からの撤退を私達は望んでいます」

<イスラエルは国際部隊が来るまではそこにいたいと言っています>

「レバノンはとにかく心から即時停戦を望んでいます。
四週間にわたってイスラエル軍の激しい攻撃を受けているんです。
国民とインフラに対して非常に激しい攻撃が加えられています。
経済は全く麻痺状態です。
これが第一段階の決議となり、
もう一つ決議が採択されるという風に理解しています。
これについてはまた話を続けなくてはなりません。
しかしこの決議案はこれまでも実行されることは殆どありません。
この決議がどの程度速やかに実行できるのか注目したいと思います」


<決議により状況は変わるでしょうか>

(Beirut resident)
「私には分かりません。
私には政治は分かりません。
単なる政治なんです。
決議案、話が進められているだけです。
結局レバノンは破壊されていて、住民は死亡しているんです。
経済は全く動いていません。
決議案には余り意味はないんです。
とにかく戦闘行為は止めるべきです。
これ以上殺戮は止めるべきだと思うんです。
意味がありません。
人が死んでいるんです。
国も壊されています」

<今まず何を求めていますか>

「まず暴力行為を止めることです。
全ての暴力行為です。
暴力が続く限り解決はありません」


<一体ヒズボラのロケット弾を止めるにはどうしたらよいのでしょう>

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「確かに今の電話にもあったように、
私達はまずこの戦争を終わらせなければなりません。
ヒズボラのロケット弾もイスラエルとの停戦と同時に
終わらせることができるのではないかと思います。
昨日の閣議でヒズボラの閣僚二人がはっきりと言っていました。
ヒズボラは停戦の用意があると言っています。
相手が停戦すればということです」

<しかしイスラエルはヒズボラがこの停戦を使って
再集結するのではないかという不安がありますが>

「私は軍事の専門化ではありません。
しかしレバノンの70の橋の殆どが破壊されてしまっているんです。
基本的に重要なもの、燃料などを運ぶのも
どうしてよいのか分からない状態です。
ヒズボラがどうやって武器を輸送できるんでしょうか。
不可能でしょう」

<安保理決議1559はヒズボラの武装解除を求めていましたが、
レバノンはこれを実行することができませんでしたね>

「率直に申し上げましょう。
レバノン政府はヒズボラに対して武装解除せよと命ずることはできません。
しかしヒズボラを含め、私達はレバノンの主権を
レバノン全域に広めることには合意しているんです。
レバノン政府、レバノン軍が武器を使う
唯一の軍となるということで話はまとまっています。
もっと話を詰める必要があります。
大きな動きがあるんです。
国内での話しを続けることによって、
レバノンの主権国家というものが確立できるのではないかと思うのです。
ヒズボラはかつてイスラエル軍を撤退させるのには大きな役割を果たしました。
政党でもあるんです。
多くの支持があります。
そしてヒズボラはその有権者に対しても社会的サービスを行っています。
健康、教育の分野で活躍しているんです。
非常にレバノンの社会に根付いたものなのです。
ただ危険性としては内戦となる可能性があるんです」


(CHRIS:Ohio, US)
Israel has every right to fight against Hezbollah in Lebanon.
Hezbollah's stated goal is to destroy the state of Israel
and their actions make this clear.
They instigated the current conflict and cannot be negotiated with.
It's terrible that civilians on both sides are dying.

イスラエルはレバノンでヒズボラに対して戦う権利がある。
ヒズボラはイスラエルを破壊しようとしている。
彼らの行動はこれを明確にします。
現在の紛争を煽ったのはヒズボラだ。
交渉することができません。
双方の市民が死に瀕しているのは残念なことです。


<軍事的にヒズボラはどの程度強いのでしょうか>

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「軍事的にどの程度の力を持っているかはよく分かりません。
ただ地上戦に関しては強い立場を示しています。
イスラエル軍は中東で一番強い軍として知られています。
それに対し戦っている訳ですから、非常に士気が高いと言えるでしょう。
訓練も十分に受けているようです。
組織的なゲリラ勢力となっています」

(YISRAEL MEDAD:Israel)
「政治的なこともあると思うのでヒズボラに対して余り強いことは
言えないんだと思います。シリアとの関係もありますから。
しかしシリアの占領がこれまで余り注目を集めていなかったんでしょうか。
部分的にも国際部隊が入れるように戦闘を中止するという
決議案を受け入れるべきではないんでしょうか」

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「シェバ農場はイスラエルが占領しています。
レバノンとシリアの間でも領土に関して論議が起きています。
しかしイスラエルがずっと占領してきたんです。
レバノンの閣議でも合意ができています。
シェバ農場がレバノンに返還されなければ、
状態は改善しないと考えている訳です。
これはレバノン政府の立場でもあります。
我々はこのことを訴えています。
そしてイスラエル軍の撤退がこの決議に含まれることを望んでいます」

(YISRAEL MEDAD:Israel)
「つまり戦争はやるべきだということなんでしょうか。
現在の段階で国連の決議案を拒絶するということは、
そういうことなんでしょうか。
シェバ農場があるから拒絶するということですか」

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「この決議案ですが、昨日の夕方みた段階では、
他の点も懸念する所があります。
例えば日程の問題。
イスラエル軍の撤退、
例えば過去四週間に占領された地域からの撤退にも触れられていません。
シェバ農場だけの問題ではないんです。
もちろん即時停戦を我々は望んでいます。
それに対し合意がなされることを望んでいます。
現在我々は大きな問題を抱えているんです。
経済も崩壊寸前です。
人道的危機も起きています」


(BOUTROS:Lebanon)
To all those blaming Lebanon:
his government has been in power for 12 months;
it had the full backing of the US.
Before that we were under Syrian domination.
The reason Hezbollah were included in the government was to engage
them politically and convince them to surrender their weapons.

レバノンを非難する全ての人達に:
政府はまだ12か月間政権を握っているに過ぎません;
アメリカの全面的支援を受けてきました。
その前にはシリアの支配下にいました。
ヒズボラが政府に含められた理由は政治的に彼らを引き込んで、
彼らの武装を放棄するよう説得することでした。


<ヒズボラはレバノンで今大きな支持を得るようになっているんでしょうか>

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「はっきりした答えを言うことはできません。
ただ情報を集めると、ヒズボラに対しての支持は、
戦争が始まる前よりも強いものがありました。
支持が高まっているようです。
イスラム教国、アラブ世界全体で
ヒズボラに対する支持が高まっているようです。
このことも考慮するべきです。
特にアメリカはこのことに注意を払うべきです。
私は軍事専門家ではありません。
しかしこの戦争は軍事力では解決できない訳です。
それは明らかです。
政治的、外交的な合意がなされる必要があります。
ですからこの戦争は今止めるべきなんです。
そして外交的な話し合いを始めるべきなんです。
米政府、西側諸国の民主主義が、この戦争を続けることで
何を得ることができるんでしょうか。
西側社会、特にアメリカに対しての嫌悪感が広まっています。
これによって西側の民主主義は何を得ることができるんでしょう。
我々は民主的に選ばれた政府です。
そして多民族、多文化の民主主義の国なんです。
こうしたレバノン政府はこの戦争によって大打撃を受けています」


<シリアのレバノンに対する影響ですが、この状況をどうみられていますか>

(ANGELA HILAL:Syria)
「アレッポという街ではヒズボラの旗で溢れています。
過去数日ですが、シリア政府は民衆に
ヒズボラの旗を捨てるように言ったということです。
しかし昔ヒズボラを支持しなかった人も、
今ヒズボラを支持するようになっています。
イスラエルに対抗できるのは、今ヒズボラだけだからです。
レバノンは小さな土地の為に戦争するのは止めるべきだと
イスラエルは言っていますが、それを盗ったのはイスラエルなんです。
ですからイスラエルはそれを返すべきなんです」

<外交協議が成功すると思いますか>

「そうは思えません。
ブッシュ氏が十分な人々が罰せられたと感じられたら止めるでしょう。
しかしそれまでは止めないでしょう。
イスラエルの人々に対しても非常に悲しいと思います。
世界を敵に回している訳ですから。
シェバ農場、ゴラン高原を返せば、パレスチナに土地を返せば、
人々はそれで納得する訳です。
パレスチナはイスラエルを国として認めると言ってるんですから。
そうすれば双方とも幸せになれるんじゃないでしょうか。
1967年の境界線に戻れば良いんです。
そうすれば現在のような情況は防ぐことができます。
今、自分達の周りに壁を築き始めている訳です。
何ということをしているんだ。
自分達をゲットーの中に閉じ込めているのかと私は思いました」


(MICHAEL MUSSULIS:Romania)
「国連安保理決議が採択されたとしても中東の平和は訪れないと思います。
というのもこの紛争の根源の問題を解決しなければならないからです。
まず一番大切な点ですが、この紛争の最も大きな要素は
イスラエルとアラブ諸国との関係です。
アラブ諸国はイスラエルの生存を許したくないのです。
私はイスラエルに八年住んだことがあります。
私の兄はレバノンにいました。
アラブ諸国がイスラエルの存在を受け入れるまで、
生存権を認めるまで平和はないと思います」

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「今回の問題の根源はパレスチナ問題だと思います。
イスラエルの生存権ということですが、どの国境でということでしょうか。
国境が決まってるんでしょうか。
イスラエルが建国された時から非常に多くの土地をパレスチナから奪っています。
そしてパレスチナ人を亡命させているのです。
多くの人々は難民となっています。
この十年間をみてみますと、中東では過激派が台頭してきています」

(MICHAEL MUSSULIS:Romania)
「アラブとイスラエルは共存できると思います。
私はイスラエルに八年間住みましたが、アラブの友人も一杯います。
全く問題はありません」


(JOE:Canada)
「レバノンではハリリ元首相の暗殺がありました。
ヒズボラの武装解除は難しいです。
その為にレバノン政府はヒズボラを取り込もうと対話を開始したのです。
内閣にも取り込みました。結果的に武装解除を狙っている訳です。
ヒズボラの武装解除は以前は話すことさえタブーでした。
しかし今は交渉できます。
その条件なども話し合うことができるんです。
これは非常に大きな進歩だと思います」

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「レバノンの政党としてヒズボラは残るべきです。
そして武装抵抗を止めるべきなのです。
どうして今武装抵抗しているのかというと、
イスラエルに服役囚がいますし、シェバ農場の問題も解決していません。
非常に重要なことなんです。
イスラエルは南部に多くの地雷を残していったんです。
私達はイスラエルに対して、その地雷がどこに埋められているのかという
地図を示してくれと言っているのです。
これは非常に基本的なことです。
ところが私達はこの地図をまだ頂いていません。
レバノン政府は普通の政府になりたいのです。
つまり全ての権限を持っている、普通の軍を支配する、
そして領土を支配する普通の政府にです。
そしてヒズボラも政党に変わっていかなくてはなりません。
しかしその為には内戦は避けたいんです。
力でやりたくありません。
合意ということでやっていきたいと思います。
実はこのプロセスはもう起きています。
近い将来達成できると思います」


(ARNON:Tel Aviv, Israel)
「何故アラブ世界ではテロリストが活動しているのか」

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「ヒズボラは草の根の支持を持ってるんです。
レバノンの人々が支持しているんです。
ヒズボラは選挙区では大きな人気があります。
突然やって来た外国の勢力ではないんです。
我々としては話し合いで解決していきたいと思っています。
それと同時にヒズボラという抵抗勢力が出てきた
根源を取り除きたいと思っているのです。
ヒズボラはイスラエルの占領時代に抵抗勢力として生まれてきたんです。
イスラエル軍はレバノン南部を占領していました。
レバノン南部の人々が抵抗するのは当然です。
その中には武装闘争も含まれます。
ですから現在の武装闘争はヒズボラの軍事部門となっているのです。
ですからこの問題の解決を図るには、
まずイスラエルがどこに地雷を仕掛けたかの地図を渡すこと、
シェバ農場から撤退すること、そしてレバノンの中でヒズボラと話し合って、
他の政党と同じようにヒズボラが民主主義に従うようにしたいと思っています」

<国際部隊の派遣について>

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「二つの要素があると思います。
レバノン軍は南部に進出する予定です。
国際部隊がそれを助けることになっています。
二つ目は、現在の軍は非常に小さいので、
強い部隊を派遣する必要がある訳です。
一つ言いたいのですが、
国際部隊は我々をイスラエルから守る為に必要なんです。
イスラエルは過去四、五年ごとにレバノンに攻撃を仕掛けてきました。
こうした中、どのように人々は生きたらいいんでしょうか。
どのように経済を成長させたらいいんでしょうか。
レバノン南部の国境では、
中東で一番強い軍がレバノンに打撃を与えているんです」


(DAVID:Belgium)
「カチューシャ・ロケットは防衛ではなく、テロの武器です。
イスラエルを破壊することを目標としています。
これは防衛とは言えないんじゃないでしょうか。
現在のヒズボラがやっていることは、
あなた達のコミュニティに受け入れられないんじゃないでしょうか」

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「我々はイスラエルから攻撃を受けているんです。
イスラエルは我々のインフラを標的にし、
橋、工場、一般市民を標的にしているんです。
人権ウォッチも何が起きているか報告しています。
ロケット弾については申し上げたくありません。
ただ事実を言っている訳です。
イスラエルは占領しているんです。
長期間にわたって占領しているんです。
そこから嫌悪感が出ているんです。
イスラエルはF15、F16など様々な兵器を有しています。
我々は民主社会を建設し、経済を立て直したいと思っているんです。
しかしレバノンの南部を占領されている限り、それはできません」

(HASSAM:Saudi Arabia)
「多くの国がイスラエルの殺戮を援助しています」

(KIRAN CHHIBA:Toronto, Canada)
「全世界的にこの紛争がどの程度心の傷になっているか
お分かりになっているでしょうか」

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「レバノンの国が壊れているんです。
市民を標的にしています。
経済の基盤も無茶苦茶になっているんです。
これを再建するのは難しいでしょう。
二人の兵士を拉致したのは事実ですが、
これが本当に正しいレベルの反応なんでしょうか。
こんなに大袈裟なことをしなくてもいいじゃないでしょうか。
国際部隊が必要です。
イスラエルのテロリストのマシーンから
私達を守ってもらわなければならないのです」

(RAMY:Haifa, Israel)
「私は60年前ハイファで生まれました。
皆仲良く暮らしていました。
私は生きている間に六つの戦争を経験しました。
私達は子供達に絶対にアラブ人を憎むなと教えてきました。
旗を焼くなと言ってきました。
しかし67年アラブ諸国の間にはイスラエルに対する憎悪が広がったのです。
子供達はイスラエルについて全く知らされていないんです。
兵士二人が拉致され、イスラエルに攻撃がなされました。
イスラエルの市民というのは、法と秩序を守る国です。
それに対して数千発のロケット弾が撃ち込まれました」

<ロケット弾に対してどのようなことを子供に教えればいいんでしょうか>

「イスラエルのユダヤ人はイスラエルのアラブ人と共に
ここで共存しているんです。
90%が政府を支持しています。
二か国の共存にも賛成しています。
西岸は良い所になるでしょう。
レバノンの人々も幸せに暮らして欲しいと思っています」

(WAFIF:Karachi, Pakistan)
「イスラエルのテロリスト・マシーンは今後どうなるんでしょうか」

(SAMI HADDAD:Lebanese Economy Minister)
「イスラエルは平和と愛というメッセージを発している訳ではありません。
レバノンは北から南までイスラエルの爆撃を受けています。
これを嫌悪、憎悪という言葉以外の言葉で言い表すことはできません。
一千人以上が死亡し、その40%が子供達で、80%以上が一般市民です。
3500人以上が怪我をしています。
イスラエル空軍は意図的に工場を標的にしています。
例えば乳製品を作っている工場です。
赤新月社なども攻撃しています。
アラブ諸国の赤十字の隊列も攻撃されました。
これは人権ウォッチの報告書にはっきりと載っています。
兵士二人の拉致を利用して攻撃しているとしか思えません。
7月12日の前をみてみる必要があると思います。
イスラエル軍はレバノンの空域、海域を毎日のように侵犯していました。
しかしこのことは伝えられていません。
ハイファの方は、憎悪という言葉を使っていました。
憎悪がなければ、ガザ、西岸は繁栄すると言っていました。
では何故イスラエルはそこから撤退しないんでしょう。
本来持つべき人々にその土地を返さないんでしょうか」

中東危機 : Have your say : BBC (2006.8.6)