イスラエルの国土の半分以上を占める南部ネゲブ砂漠。
人口は全国民の約8%しか住んでいない。

 ベドウィン達は、1965年まではイスラエル軍の管轄下に置かれていた。
現在ネゲブに住むベドウィンは15万人。
その内約8万人は45か所の無認可の村々に住んでいる。
村人の多くは何世紀にもわたって住んでいるが、
イスラエル政府は土地を没収し、土地の所有を認めていない。
家を建てることも法律で禁止している。
法律を盾に「国有地を不法に占拠している無法者」とみなし、
家や畑を破壊している。

現在、政府はベドウィンを7つの地域へ集めて定住させようとしている。
7つの地域には、現在約7万人が暮らしている。
しかし、彼らには地域開発計画に参加することは認められていない。
農業への配慮もなされていない為、家畜を手放さねばならなくなり、
失業し、貧困と犯罪が深刻化している。

 アル・ザールーラ村では、5万ドルと一年を掛けて、モスクを建築するが、
完成間近で政府により破壊される。

 エロクビ族は、アル・アラキーブ地区に何世紀も前から住み続けている。
1952年、政府は、6ヶ月だけ土地を空ければよく、その後戻ることができると
説明した。
航空写真を撮影し、写真には土地所有者達の名前が書き込まれていた。
その説明を信じ、一時的に土地から移動した。
しかし、再び戻れることはなかった。
2000年、国の許可なく元の土地に戻った者達に対して、国は、家々を破壊し、
多額の罰金を科し、毒物を散布して農作物を壊滅させた。
2004年、人権団体が最高裁に訴えた後、やっと毒物散布が禁止された。

「イスラエルのベドウィン遊牧民」:DAYS JAPAN 7月号