「パレスチナが見たい」(森沢典子著:TBSブリタニカ)
「パレスチナ「自爆テロの正義」」(Q・サカマキ:小学館文庫)などを読むと出てくる
パレスチナの乗り合いバスというものを実際に見ることができました。
 ボックス・カーなんですね。まあ7、8人乗りというところでしょうか。
 乗客は実に様々ですね。スーツ姿のサラリーマンもいれば、かなり派手なおねぇ〜さん
(ノ−スリーブとかイスラムだけど結構開放的なんですね)とか、その辺のおじさんとか
おばさんとか。子供とか、老人とか、車椅子の人とか、、、
 携帯電話も結構多くの人が持っているようでした。
 イスラエルの検問所でチェックされるんですが、そっちの方にカメラを向けるなと、
どこの検問所でも言われていました。
 車の中での会話が情報交換とか、討論とか、または喧嘩とか、でも男同士がかなり
激昂して口論している所に、若い綺麗な女性が乗り込んでくると、途端に論争を止めて
いました。
 コピーCDも運送していました。かなり精巧なコピーであることを自慢していました。
 乗り合いタクシー業者同士での割り込み、争いもあるようです。
 ところで、この乗り合いタクシーは、イスラエルから貰ったものだと言っていました。
 抜き打ちの検問を察知すると、抜け道を行きます。
すれ違う車同士でお互いにイスラエル兵はいるか、いないか情報交換を行いながら先に
進みます。
 ちょっと先の方を覗いた時に、銃撃を受けていました。
 さすがに、興奮して猛スピードで逃走して行きました。

 パレスチナの人達の日常生活の、そのほんのひとかけらを垣間見た思いです。

 他国による軍事占領という「非日常世界」が「日常世界」になってしまっていると
 いうこと。
 そういう日常生活を強要されているということ。
 しかしそれでも日々生きているということ。
 しかも、へこたれずに、結構したたかに生きているといこと。

 NHK・BS「パレスチナの乗り合いバス」(2003年10月8日(水))