放射性物質が出すのが放射線。
放射線には、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線、中性子線がある。

・α(アルファ)線:ヘリウムの原子核、原子番号2番のヘリウムには、
 2個の陽子と2個の中性子がある。だから質量は4。
 電子は伴わないため、プラスの電荷を持つ。
 α線を出す崩壊をアルファ崩壊という。

・β(ベータ)線:1個の電子。原子核から電子が出てくるのは、1個の中性子が、
 陽子と電子に変わり、その変わった電子が飛び出して来る。
 これがベータ崩壊。

 ちなみに、1個の陽子が、中性子と陽電子に変わることもある。
 その結果、出てくるのが陽電子。これも放射線。

・γ(ガンマ)線:波長の短い電磁波。
 アルファ崩壊やベータ崩壊を起こした原子核は、励起状態にあるので、
 (電子の周回軌道が上がっていく:K殻→L殻→M殻→)
 そのエネルギーを放出して、落ち着く。(基底状態)(電子軌道が落ちる)
 これがガンマ線。
 ガンマ線より波長の長いのがX線。更に長いのが紫外線。

 放射性同位体元素(ラジオ・アイソトープ)とは、同じ陽子数で、中性子の
 数が違うもの。例えば、ウラン235とウラン238は、陽子数は92で同じ
 だが、中性子数が違う。だから質量もその分違う。

 更には、光子による光電効果のコンプトン電子。
 逆に原子核による電子捕獲=オージェ効果とオージェ電子。
 


 <放射線の与える影響>

・ガンマ線:エネルギーの高い光子であるので、原子核を回っている電子に
 エネルギーを与える。エネルギーを与えられた電子は、その起動を上げて
 いく。(励起状態)、更には、原子核から離脱して自由電子となる。(電離)
 (内部転換電子)

 

 この<励起>と<電離>が、放射線の基本的な作用です。
 その与える影響力は、

 ガンマ線<ベータ線<アルファ線(20倍)と、大きくなっていきます。

 逆に、物質に対する透過力は、反対に、

 ガンマ線>ベータ線>アルファ線 となります。

 この<電離>と<励起>が化学変化を引き起こす。

 <ラジカル>について、


 <放射線感受性>
 身体各部位によって、放射線に対する感受性が異なる。
 より、細胞分裂が盛んな部位ほど、放射線感受性は高い。
 細胞分裂が盛んな子どもの方が、大人よりも、放射線感受性は高い。
 更には、胎児の方が更に高い。
大人でも、細胞分裂が盛んな部位、血液細胞を作る骨髄、内臓の内側の粘膜を
作る部位(臓器内壁)、皮膚、生殖細胞を作る生殖器。
 また、リンパ球は放射線感受性が高い。
白血球は赤血球より、放射線感受性が高い。



 <体内被曝>と<体外被曝>



                     

放射線