「無から有が生まれる」こともあるんですね。
 「真空のエネルギー」というのがあって、真空にエネルギーを
放射すると、電子と陽電子の対生成・対消滅が生じます。
何もない空間から、電子と陽電子という物質が生まれてくるんで
すよね。
確かにアインシュタインの E=MC2 というのは、エネルギー
と質量が同じものだということですからね。

 Eとはエネルギーのことです。
 Mとは質量のことです。
 Cとは光速のことです。

 エネルギーと質量とが同じものとは、例えば、

・核分裂(核爆弾) :原子核が分裂する時に、エネルギーが放出される。
・核融合(太陽の中):原子核同士が結合する時に、エネルギーを放出する。
           核の結合エネルギーを放出する。

 真空とはいっても、例えば現在の真空ポンプでも、完全な真空をつくり出す
ことはできません。どうしても分子・原子が少しは残るからです。
 宇宙空間は、真空と言われますが、1m3 に原子1個くらいはあるそうです。

 まあ、その空間にほぼ完全に原子・分子がないと仮定しての話しですが、
その真空に加えるエネルギーとは、この実験の場合、γ(ガンマ線)、つまり、
電磁波ですね。(光も電磁波)
 真空中に極めて高いエネルギーのγ線を送り込むと、真空中から、
電子と陽電子が、対で生成します。
 しかし、極めて短い時間(ナノ秒単位)後に、その両者は、再び、合体して
消滅します。
これが対消滅です。


 ちなみに、また別の説によると、
真空中で、極めて短い(ナノ秒単位)時間に、物質と反物質が対生成・対消滅
しているという考えもあります。
それが真空のエネルギーであり、それが宇宙を膨張(インフレーション理論)
させている原因だと考える人もいます。


 ホーキングは、ブラックホールが
 ・熱量を持つこと
 ・寿命があること
  を、明らかにしました。

 ブラックホールの、その凄まじいエネルギーによって、電子と陽電子、
物質と反物質が対生成・対消滅します。
 ブラックホールと外界の境目で生じたものの内、
反物質とブラックホール内の物質とが対消滅することによって、
ブラックホールの質量が減少していくことが、ブラックホールの寿命です。


 詳しくは、ブルーバックスの「真空とはなんだろう」(820円)
 NHKスペシャル「宇宙」第四巻「未来への暴走」 (1900円)


 NHKスペシャル「宇宙」第四巻「未来への暴走」 (1900円)は、
 テレビで放映された内容を本にしたものですから、かなり読みやすいと思います。
 
 ちなみに、NHKスペシャル宇宙は、DVD版が出ています。

 また、この「宇宙」シリーズは全4巻あり、各巻末には、ブックガイドがあり、
より興味のある分野や本にめぐり合えると思いますよ。
 更には、サイトツアーという、色々な面白い関連サイトも紹介されています。

無から有を生ずる:真空のエネルギー