ノーベル賞受賞科学者である朝永振一郎氏の著作である「光子の裁判」は、
いくつかの書物に入っています。
・講談社学術文庫「鏡の中の物理学」
・岩波文庫「量子力学と私」
・みすず書房「量子力学的世界像」

 ノーベル賞受賞者の科学的読み物なんで、専門知識がないと読めないとかは、
全然ありません。
 むしろ文学的作品とも言えるくらい、文系でも分かる内容になっています。
 非常にくだけた、易しい、構成ですね。

 量子力学の入門書的な書物は何冊か読みました。岩波新書とか、講談社ブルーバッ
クスとか。
すると、必ずと言っていい程、光子と電子の波動性と粒子性の二重性ということが、
例のあの二重スリットの実験が、述べられています。

 私の頭がどうも機械的で固いのでしょう。何回読んでも、化かされたような気になります。

 例のスリット、つまり、スリット(溝)が2本入った所を、光子なり、電子なりが
通過します。
通過点で何もしないと、つまり、通過したかどうかを観測する装置なりを設置しなければ、
通過後、干渉波が生じます。
 しかし、例え2つのスリットの内の片方にさえ、通過を調べる観測装置を設けると、
干渉波が途端に消えて無くなるのです。

 う〜ん、何だかだまされているような気にさえなってきます。
しかし、現在では、高度な観測装置が開発されて、目で見える、つまり映像写真まで、
突きつけられると信じない訳にはいきません。
 例えば、外村彰氏の「量子力学への招待」(岩波講座物理の世界)(2001年出版)には、
豊富な映像写真が掲載されています。

 粒子性と波動性との二重性、、、
粒子でもあり、波動でもある。
 う〜ん、西田幾多郎の絶対矛盾的自己同一という表現がピッタリですね。

 唯物論哲学の原理である、「自己運動する物質」とは、まさにこの物質の矛盾=運動という
ことなのでしょうね。

 いやぁ〜、しかし、科学は進歩してるんですね。原子1個1個を写真で観れるなんて!!
今後もっともっと科学が進歩して、今まで見たこともない世界を、映像で見せてくれ
るんでしょうね。

 私のように頭が固い人間には、やはり映像が、かなり効果的です。
トンネル効果なんてのも、もう少し見て分かるようになりたいです。

光子の裁判(朝永振一郎)